「京都」の誕生 武士が作った戦乱の都 桃崎有一郎

電車通勤になって本を読む時間が増えました。

私たちが京都といえば思いつく有名な観光地はほとんど平安京の中にはなく平安京の外にあるという点からも京都=平安京ではないと著者は指摘しています。この本は平安京周辺の地域が武士の出現・台頭とともに拡大され市街地化されていき私たちが知っている京都に変遷していく様を書いています。
その変遷をリードしたのは院政と武士(主に平家)だったとのことです。本の内容は学術的な研究に基づいて書かれているようですが、様々な事件について臨場感のある文章で書かれているので退屈することなく読めました。暴れ者退治のために暴れ者から集められた用心棒のような存在だった武士が、独自の文化を形成しながら朝廷のパートナーにまで昇りつめて、その後は朝廷が武士なくしては成り立たなくなっていく過程が興味深かったです。