スノーシュー天国の鹿俣山へ | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

武尊山から西へ沼田・みなかみ境界尾根をたどっていくと、鹿俣(かのまた)山がある。たんばらスキーパークから容易に登れるし、ゆるやかなブナの森は格好のスノーシューフィールドになっています。たんばら通いも4年目になるが、今日は鹿俣山周回コースを、前回とは違う味付けで行ってみます。

 

雪庇から、空の中へ

本日のGPS軌跡、反時計回りで。後半のナビゲーションはミスった。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2024年3月3日(日)】  たんばらスキーパーク駐車場7:50~1474m標高点台地9:15-25~鹿俣山10:15-30~銅金沢バリエーションルート~駐車場12:25  行動時間4時間35分

 

ここのPは駐車位置を誘導するので早く着きすぎるのを遠慮したら、却って遅くなってしまった。見えてるのは剣ヶ峰・獅子ヶ鼻山・左端に鹿俣山だ。ひととおりトレースはしました。

8時からのリフトを使えば、なんと稜線まで上がれてしまう。たまにはそうやって登ろうかと思ったが、直前で気が変わって歩いて登ることにした。

せっかくブナの森が広がっているのだから。

 

すでにこの車の数です。「今日は天気がいいので~」とアナウンスしている。センターで登山届を提出して出発です。

 

ペンション村を抜けて、右手に登山口。ここが入口だよというだけで、あとは標識もピンテもありません。広い尾根だから、冬は好き放題に歩いてゆける。ワカンではなくて、スノーシューがベターです。

ここで装着しました。あとはフィニッシュまで、履きっぱです。

 

朝日のドラマに間に合った。ここをリフトで省略したら、やっぱりもったいない。初回はゲレンデ脇をアイゼンで登った。この林間コースのほうが時間はかかるけど、断然面白いです。

夏道ラインは意識せずに、ひたすらまっすぐ突き進む。沈む程度も気持ちいいくらいだった。

 

伸びてゆく影にうっとり。

トップを交代したら、あっという間に離れていく。体育会系にはかなわない。

 

だいぶ光が満ちてきた。ブナがまばらになってきて、この空間がまたいいのです。黒戸尾根よりも、こっちのほうがいい年代になってきたか。

 

ちょっとした急斜面はありまして、その都度雪面をじっと見つめて斜度のゆるい場所を選んでいく。心拍数の上がる時間帯だ。

 

またゆるくなって、枯れ木のオブジェ。後続のカップルの姿も見えなくなった。ここは誰もいないのが当たり前の世界です。

 

1440mへの急登り。スノーシューが効くのが助かる。

越えて、ほっとひと息。

 

ここが1474m台地ですね。こんな場所はいくらでもありますが。

自分は若い頃はこういう尾根とは縁がなかったのですが、女房と縁があったおかげで来れるようになったです。

これもひとつの風景。

 

1500m地点あたりで剣ヶ峰山が見えた。左のスノーピークは獅子ヶ鼻山。冬にあの吊尾根を縦走しようと思ったら、獅子ヶ鼻山から懸垂下降しなくてはならない。(信じ難いかもしれませんけど) 逆から来たらどうなるんでしょう? そこは行ってないのでわからない。

 

まもなく左のゲレンデから登ってきたトレースと合流して、シャクナゲ群生地の頭(1545m)に着く。トレースはそこで消えた(戻ったらしい)。実はこの頭から7~8mの下りはとても急で、テクニカルポイントになっている。覗き込んでます。

 

前回よりも雪の付き方が良くて、スノーシューでステップを刻んでゆけた。木も掴める。相方が慎重に降りてきます。

ここが実に急なのです。心配なのはあと一箇所、最後の雪壁。

 

1550mコルにて。ここで風景も一段とチェンジする。稜線の気配はすぐそこだ。

 

コルからは再びゲレンデトレースが合流して、不安要素も杞憂となりそう。一昨年はここでアイゼンに履き替えて雪壁を登ったが、今日はトレースを追っていく。

後に続いて登ってきます。

 

ついに稜線に出た。頂上まではあと少し。

 

すでにゴンドラ組のトレースがばっちりだ。最後の急登はスノーシューではやや登りづらい。

 

振り返れば谷川連峰も真っ白。ざっと40年ほど前(笑)の3月1日から3日にかけて、一ノ倉沢滝沢リッジを登った。風雪で蟻地獄のようなAルンゼを、ありありと覚えている。そういう忘れられない瞬間が、人生にはたくさんありますよね。

 

はい、着きました。コーヒータイムです。

 

ちょっと先からは、剣ヶ峰山と獅子ヶ鼻山がよく見える。

こっちは赤城山です。昨日登ったあたり。

 

ここもまたしばらくは、来ることもなかろう。ノの字が入ってるのがローカルです。

 

予定通りに周回していきます。山頂直下は要注意。続々とギャラリーも登ってくるし、「スノーシューでは下りづらそうね」とか言っている。

 

ゲレンデトップを西側へ回り込んで、夏の水上鹿俣ルートというラインをたどっていく。こちらはすでにトレースがたくさん入ってる、と思ったらブナの森ガイドツアーの大群がいた。それを避けるようにして南側斜面へ下り込んでいった。ここからは今日のオリジナルコース。

また静かになって、無垢の世界です。

 

ただちょっとした勘違いで、尾根筋一本間違えた。大勢に影響は無いのだが。軌道修正しながら沢筋に入り込む。お昼時の雪は重たくなって、だいぶ足の付け根も疲れてきたようだ。

最後は1250mラインを水平トラバース、これもけっこう疲れる。

 

駐車場に帰ってきました~

昨シーズンまで使っていたスノーシューはだいぶ具合が悪くなっていたので、昨年の内に新調しておいた。これはほとんど非の打ち所がないけれど、相当使い込まないと元が取れないシロモノです。現役最後の高額ギアかな。

 

たんばらスキーパークは、我々にとってはスノーシュー天国でした。

 

おわり