菜根譚 前集 四七 


   真の成功は無心から


人が個人的に徳を積み、一つの道を修めるには、木石にならなければならない。

 それは、世俗の富貴に捕われることの無い無心な心が必要だからである。 一度、富貴を得て喜んだり、富貴を得ず羨ましく思ったりする心が生じたならば、たちまち欲望の世界に入ってしまうであろう。


 人が政治家として世を救い国を治めるには、恬淡とした行雲流水のような無心な趣が必要である。

 もしむさぼり執着の心が生じたら、たちまち世も国も危うくなる。」


一、1. 人として、富貴など世俗の欲に染まらないという姿勢こそ成功の秘訣
        政治家は、身を肥やすこと無く、無私であれ。

       「木石の念頭」

    木や石のように外部からの刺激に何の反応も示さない無心の思い。

「雲水の趣味」

   無欲恬淡で停滞することの無い無心な心の味わい。

この二つの心がけが、人には不可欠と説く。自然の摂理の中に道を求める老荘思想、道教の教えである。


二、 ベンチャー企業の危うさ。
1 ①ITベンチャーなどの青年実業家が成功する。
    ②自信過剰になり各地で講演し始める
   ③人脈が女性とも勢接触する。
   ④日本車から、派手な外車に乗り換える⑤キャバクラ、交際クラブなど飽きたろ悪女の深情けに寄り切られ、女房と離婚。
   ⑥子供が生まれ、前妻の子と後妻の子のバランスに悩む
   ⑦&Aで会社は、一〇倍の規模に拡大⑧本社ビルを購入
    ⑨子飼の部下に造反される
    ⑩銀行の態度が変わる
   ⑪新規投資が遅れ他社の優位を許す
   ⑫業績悪化.妻とのトラブル増加
   ⑭新しい若い女性と同棲
   ⑮会社倒産離婚。資産失う。
   ⑯体調崩し、ガン発見

ベンチャー輪廻という。

木石の念頭雲水の趣味を身に付けていれば。


三、 鈍感力(渡辺淳一著エッセイ)
1、 身体的には、鈍感力が高い方が幸福である。清潔症、潔癖性は、免疫疾患になりやすい。過敏症。
2、 ガンにかかりにくい。自律神経が過敏な人間は、ガンにかかりやすい。繊細よりも無神経。
3、 結婚生活維持には必要。多少の過ちに目をつぶることができる。片目を閉じる幸せ。
4、 嫉妬、皮肉は人間関係にはつきもの、してもされても不満が残る。鈍感でありたい。

四、真の成功は、三昧の境地にある。

 欲望とは、創造主の作りたもうた種の継続のためのメカニズムである。地位は、その時々の社会の立場に過ぎない。

 就任時の適合感覚快感を抱くが、ことが過ぎればまた元に戻る。

  富は、蓄積してもそれ自体は、幸福感を生まない。有効に使用するときの喜びと、優越感のみである。欲望、富、権力、地位は、社会の重要な要素である。満足させられなければ、心理バランスを崩すが、それのみでは、真の幸福は得られない。

 幸福は、フロー体験その進化したゾーン体験(至幸体験)の積み重ねである。この充実感、達成感以外に幸福をもたらし、自然に脳内麻薬、エンドルフィンを分泌することはできない。


政治家の成功

  1、成功とは、時間の余裕、経済的余裕、心理的余裕、三つの余裕が、先のフロー体験を生み、三昧の境地を作り出す。

 現在の日本の政治は、これにはほど遠い。出世すればするほど余裕は無くなる。

  特に、

  警備が付く地位、党三役、閣僚の余裕の無さは著しい。必ず国家を脆弱化させて行く。長期的視野からは、これを打破する勇気が無ければ、後世政治的判断を誤る事態が起こる。

  2、選挙で、圧勝する。演説で聴衆が感動する。鳴り止まぬ大拍手、一種のゾーンに入ることもある。

  しかし、大衆に迎合したり、笑いを取るため顰蹙を買ったりすることも大いに有る。

 気を沈め意識を下に落として重厚な思考をして行く方が、より支持が自然と高まるであろう。

  目先のことにウロチョロしてはならない。

  「政治家には、大きな志と少しのお金さえあればいい。」

  「起きて半畳、寝て一畳いくら食っても二合半」(三木武吉)