親のほんの一言が、子供の脳を🧠変形させる



菜根譚 前集三八  

      心中の魔こそ真の敵
        

魔に勝つためには、まず、自らの心に勝つことである。

 心を支配できれば、どんな魔が大勢押し寄せようとも、立処に従わせることができる。

 横暴な扱いを受けることが嫌ならば、自分も他人に横暴な扱いをしてはならない。まず横暴を招く気を制御しなければならない。人間関係を取り巻く気が、横暴を招いてしまう。

 気が平らかならば、横暴など起こることはない。  


 魔というものは邪心や欲望の類を言う。そしてそれに負けるは、邪心欲望の赴くままに行動してしまうことを言っている。

 自分の行動は心が決めていく。その心を支配していれば自分の考え通り行動できる。魔も自分の心の一員である。

 であるならば、心を統制支配していれば魔も統制支配しうることになる。自分自身の心に勝てれば魔に対しても脅威ではなくなるのである。


 人間関係は気が重要な役割を果たしている。暗い雰囲気、明るい雰囲気。そんな違いだけではなく、横暴をも気が原動力になるという。

 確かに不良少年の多くいる学校に入った新入生はたちどころに不良少年になってしまう。いじめにおいてもいじめを常態化させている家庭学校共にいじめを根絶させることは難しい。


 異世代間の児童虐待(いわゆる世代間連鎖)の発生率を予測した報告では、子供時代に虐待を受けた被害者が、親になると子供に虐待を行う傾向が指摘されている。

 普段問題はないが、いざ精神的ストレスが高まった場合に自らの子供時代と同様に今度はわが子に対して虐待する者が三分の一いると見積もられている。

 (福井大学友田明美教授)教授は暴言虐待が脳に与えるダメージが大きいと指摘。

 「お前なんか生まれてこなければよかった」と親に言われると、大脳皮質側頭葉聴覚野の一部の容積が14%増加するとの結果が公表されている。

 言語中枢、会話の能力などに影響が出る。これに障害が出ると発達障害になり将来、親や他者との関係をうまくこなせなくなってしまう。

 家庭の中における横暴を招く気は何が何でも取り除かなければならない。

 ゆったりと平らかな気を安定させている家庭を作ることである。軟らかい言葉、優しい仕草、褒める習慣。

 言葉の限界を超えたとき暴力が始まる。ハウスメーカーの社長が面白い指摘をしていた。

「リビングの設計を見ていて広いのにTVをおいていない家がある。どこもそんな家は親子が円満な感じがする。たぶん夕食のとき家族の会話が楽しみになるのではないか。私の家は、TVがつけっぱなしで家族沈黙のうちに食事が終わってしまう。子供は成人してしまっているのでもう遅いが、人生やり直せるなら、もう一度夕食はTVの無い部屋で食べたい。」


 専門学校の就職率は普通大学のそれより高い。しかしもっと高い学校がある。いつもほぼ一〇〇%。しかも国立広島少年刑務所である。鑑別所や少年院では間に合わない悪ばかり。微塵の手加減なく矯正する。人生で初めて命令されて行動する新鮮さがたまらなく嬉しいという。寝て起きるのも教官の一言。少年は愛を感じるという。


親としての愛、矯正力のある愛、強制力のある愛

が、発達時期には必要なのです。