【サハラマラソン挑戦記 レース ステージ2】
2017/4/10/8:30~
39km (11H30)

ビバークでの朝はいつも早い。今朝も綺麗な朝焼けとともに目が覚めました。


目覚めとともに少し筋肉痛を感じましたが、昨晩しっかりストレッチをやったおかげで、まだ大丈夫そうでした。

それよりも心配だったのは、肩のほうです…。

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この日は昨日よりも距離が長いため、そのぶんスタート時間も早くなっていました。

ぞろぞろとスタートラインにランナーたちが集まってきます。

パトリックのお決まりの話も始まりましたが、あきらかに昨日よりもみんなのテンションが低い!

「みんなも疲れてるんだな…」


そんなことを思いながらのスタート。前半はペースをおさえてゆっくりと進むことに決めていました。


サハラマラソンもステージ2に入ると、いよいよ本領発揮。山登りのような急な崖を登るコースも出てきます。

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じつは、この日の途中から、僕は右足の裏に異変が起きていたのです。

最初は「小さなマメでもできたかな?」と思ったのですが、痛みがだんだんと増していき、片足だけでなく両足に広がり、歩くたびに激痛を感じるようになったのでした。

肩に重くのしかかる痛みもあり、足、肩、そして暑さ…。サハラマラソンの過酷さがどんどん増していきます。


ただ、折れそうな心に鞭を打つような衝撃的な出来事が、この日ありました。

レース中、僕は両腕のないランナーや、一輪車に乗った障がい児を6人ほどで押して進めるチーム、そして盲目のランナーなどに遭遇したのです。


とくに砂漠のなかを歩く両腕のないランナーと、ガイドと一緒に歩く盲目のランナー。彼らの姿は、強く脳裏に焼き付いたのでした。

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「チャレンジすること」。

それを伝えたくてここに来たのですが、彼らがそれを証明していることに、イナズマ級の衝撃と感動をおぼえたのです。

「凄い!!!!」

繰り返しですが、サハラマラソンは平坦な道ばかりでなく、砂丘越えがいくつもあったり、ステージ2~3になると、勾配20%の急な崖を登ったり、なかにはロープを使って登っていくロッククライミングのような場所もあるんです。

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そんな過酷なレースに、彼らは僕らと同じように挑戦していました。ロープを使って登るようなところを、両腕のないランナーや目の見えないランナーがどうやって登っていくのか…。


彼らの挑戦を目にした以上、どれだけ激痛があろうと、あきらめる気にはなれませんでした。


それでもゴールしたとき、足裏を見てみると、これまで見たこともないような大きさの水ぶくれができていて、ビックリしました。

「まさか、こんなことになってるとは…」

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それは痛いわけです。。。急いでメディカルに行き、行列のなか1時間半テントで待って、ようやく治療を受けることができました。

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何人も床に横たわって治療を受けている様子は、まるで野戦病院そのもの


メディカルスタッフも僕の足裏の惨状には驚いていて、その様子を見ているうち、翌日からのレースに、どんどん不安が広がっていったのでした。

<続く>