3月23日にうかがった、TTTCこと田尾下哲シアターカンパニー主催のオペラアートアカデミア2018

 

オペラ演出論/ワークショップ

続・オペラ演技教育を考える 実践編!

 

についての記事後半です。

 

演出家家田淳さんによる演奏解釈のマスタークラスの後、お次はファイトディレクター・新美智士さんによるワークショップでした。

 

 

その時のメモより、書いても良さそうなものをいくつか。

 

・アメリカにおけるファイトディレクターのお仕事はライセンスが必要で、殺陣をつけることだけでなく、業務は舞台の安全管理すべてにわたるそう。


怪我をしない所作や演技を指導する他、舞台スタッフにも危険が及ばないように、例えば何か早い場面転換のためにロープを急いで引かないといけない場面では、革の手袋を着用させる指示をするなど。

 

・剣の種類ごとに別のライセンスが必要。時代や国ごとの所作、作法を熟知する必要のある仕事

 

・ライセンスは更新制で、ライセンセンス保持者内でケースを共有し最新のテクニック

 

・準備運動はかなり入念で、体をほぐしたり温めたりするというよりは、その日の自分の体の状態を把握することで、「出来ると思ったのに出来なかった」ことによる怪我を防止するのが目的だそう。

 

・ひざや手などを痛めない転び方倒れ方

ビンタしないビンタの仕方

死に方

人の引き止め方

髪の毛の掴み方

首の締め方


痛みを全く伴わずに効果的に芝居をする方法を実践しながら教わりました。

 

・時代によって違うエスコートの手の高さ

・帯剣しているときのお辞儀

・時代による利き手の設定

 

などなど大変勉強になりました。

 

 

これまで素晴らしい殺陣師の先生方に怪我をせずに効果的にアクションを見せる方法を教わってきましたが、それが舞台全体に目を光らせていただけたりあらゆる所作の指標になってくれる、というのを想像すると、安全管理者という存在がプロダクションにつくスタイルの重要性、舞台への影響力の大きさを感じました。