『後宮からの逃走』を終えて④ 加えられた台詞 | 山本耕平オフィシャルブログ「PASSIONE」Powered by Ameba

山本耕平オフィシャルブログ「PASSIONE」Powered by Ameba

山本耕平オフィシャルブログ「PASSIONE」Powered by Ameba


テーマ:

この記事はシリーズの4番目です。

 

『後宮からの逃走』を終えて① 日本で3年ぶりとなったオペラ出演

『後宮からの逃走』を終えて② 謎のボックス

 『後宮からの逃走』を終えて③セリムはどうして日本語を話したのか




 今回、一節だけ演出家によって加えられた言葉がありました。




“帰ってきたら、お前のものだ”




という、



ブロンデやコンスタンツェが恋人たちを捨て

この後宮にまた戻ってくるという

不安な未来を想起させるものでした。




しかもこのフレーズは日本語で、

僕が出た組ではブロンデも訳してくれなかったので


ベルモンテはこの言葉をセリムがオスミンに伝えていることを理解できていません。





愛が勝利したハッピーエンドに見えて

別れが待っているかもしれない



セリムからの大きな許しは

実は策略かもしれない



酔いつぶれて寝ているはずのオスミンが

直後のシーン(四重唱)で登場し


セリムと共にパネルを動かして

二組のカップルを翻弄したということは


すべてが策略だったかもしれない




などなど、


色々なところに二面性が盛り込まれていて





若い二組のカップルが思うような

単純な愛だとか都合のいいハッピーエンドなんてものは存在しないんだよと言われているかのようです。





しかしながら演出家に最後まで言われていたのは



3幕のベルモンテのアリアと

コンスタンツェ×ベルモンテの二重唱は



ポジティブなメッセージなんだ

最高に美しいメッセージなんだ



ということでした。




もうコンスタンツェには会えないのかもしれないと思われる状況でも



“愛の力は、不可能を可能にする”



とベルモンテが歌うその心に触れて

コンスタンツェは扉を開き、




死刑を待つ身で嘆くベルモンテに

コンスタンツェは



“愛する人のために死ぬ”


という決意を見せ、




やがて二人は



“愛する人と共に死ぬことは魂の喜びである”



というところまでたどり着きます。





そのシーンでは今回の演出の肝である

二組のカップルを互い違いに繋いだ手錠が出てきます。





コンスタンツェとペドリッロ


ブロンデとベルモンテ




という組み合わせで手錠に繋がれています。






ベルモンテとコンスタンツェが



愛する人との死は魂の喜びであるという結論に行き着く中で、


 

手錠につながれているが故に、近くに居ざるを得なくなるペドリッロとブロンデが


次第にその考え方に影響されて、

最後にはそのことを受け入れ抱き合う



この景はとても美しいと僕は思いました。



ブロンデは後宮にいたままでもいいと思っていたし(逃走失敗時、早々に諦めてコートを脱いでいる)、


ペドリッロのことも終始軽く扱ってきていたので、この抱擁は感動的です。


(舞台のかなり奥にいて歌っているコンスタンツェとベルモンテは、抱き合いつつ指揮を見るのにかなり必死なのですが(笑))



こういうくさいメッセージをそのまま伝えるのが照れくさくて色んなことを盛り込んでるんじゃないのかな、と思われるくらい、


この二重唱の歌詞が好きなギー・ヨーステンさんなのでした。



『後宮からの逃走』を終えて① 日本で3年ぶりとなったオペラ出演

『後宮からの逃走』を終えて② 謎のボックス

 『後宮からの逃走』を終えて③セリムはどうして日本語を話したのか


山本耕平さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

SNSアカウント

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース