要約筆記にも文字通訳にも対応できるように | ライター日記~スポーツ・ムーブメントでレガシーを~

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スポーツはこれからのよりよい社会のためにどんな貢献ができるのか。
スポーツはどんなレガシーを遺してゆけるのか。
そんな視点を大切にしながら、日々のつぶやきやライター生活を綴っていきます。

スポーツ系ライターであり、パソコン要約筆記者としても活動している山本尚央子です。

先日、パソコン要約筆記の活動をしてまいりました。
私は、東京手話通訳等派遣センターに登録している要約筆記者なのです。
手話通訳の「等」にあたる部分が要約筆記になるんですね。。。(≧▽≦)

要約筆記者としての活動先は他にもいくつかあるのですが、
東京手話通訳等派遣センターからの派遣はなかなか日程が合わず、
私はけっこう久しぶりでした。

久しぶりといっても、
毎日の大半の時間をパソコンに向かって過ごしているので、
パソコン入力という点ではとくに問題はありません。

問題なのは「勘」です。



2時間の情報保障でしたが、ちょうど折り返し地点で休憩がありました。
そのときにセンパイ要約筆記者の方から注意を受けてしまいました。

「文字数が多すぎて読みづらい。
 まずは指を動かす前にちゃんと聞いて、内容を整理して、簡潔にして」

おっとーーービックリマーク
いけない、いけない。。。

講師の方が発する「これ」や「あれ」を
わかりやすくと思い、言葉や説明を加えていたりしたら、
一緒に組んでいる方たちよりもずっと多い文字数と行数になってしまっていたのでした。

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手話にも、地方によって若干の違いがあるようですが、
要約筆記にもいくつかのやり方があります。

大きく分けると、一人入力と二人(連携)入力に分かれます。
両方とも基本的に二人でペアを組みますが、
一人入力の場合はメインの人が決められた時間内をほぼ一人で担当し、
もう一人のサブの人はよほど遅れたときか数字の間違い等をチェックする程度です。

二人入力はメインとサブには分かれず、二人で息を合わせて
ほぼ1フレーズずつ交互に入力していきます。


出力されるスタイルは当然、異なります。
一人入力は、箇条書きに近いような非常にスッキリとした文章になります。
その代わり、ジョークなど本筋から離れた部分については、
省かれることが多いのです。

二人入力の強みは、文字数の多さです。
ほぼ話者の発言内容どおり文字に再現できます。

例えば大学の講義とか難しい内容の場合、
要約筆記者の知識レベルで要約が難しい場合がありますが、
そんなときは二人入力のほうが適しているといえるでしょう。

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難しいのは「読みやすさ」と「わかりやすさ」の定義です。
文字数が少なく、簡潔にまとめてある文章はたしかにスッキリと読みやすいでしょう。

ただ、「二人入力のほうが好き」という利用者の方もおられるのです。
そんな方たちからは、「一人入力は、情報が省かれすぎていてわかりづらい」
という声があがっていることも事実です。

・話者がどんな言い間違いをしたのか知りたい。
・どんなくだらないジョークでもいいから、それも読ませてほしい。

そんな声も聞きます。
そういう方たちにとっては、たとえ文字数が多くても、
ほぼすべての情報を読むことができる二人入力のほうが「わかりやすい」というのです。


どちらが正しい、間違っているといった類の話ではありません。

方向性が違う、というだけです。

近頃では、二人入力の要約筆記については「文字通訳」という表現を使うところも
増えています。

私たち要約筆記者は文字通訳者でもあるべきです。
その現場ごとで求められる出力レベルに合わせて、的確にアウトプットできるように。。。

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というわけで、この現場では一人入力で簡潔な出力が望まれていましたので、
後半からはそのように切り替えました。( ´艸`)