2017-11-11 23:56:31

【視察報告】長野オリンピックがもたらした「レガシー」とは

テーマ:山本直史の活動記

千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

【長野市における視察テーマは「長野オリンピック」について】
 

①オリンピック開催に向けた取り組みについて

〇長野オリンピックとは・・・
長野オリンピック(東京・札幌に続き3回目)
開催期間:1998年2月7日~22日(16日間)
開催都市:長野市・山ノ内町・白馬村・軽井沢町・野沢温泉村

・史上最大規模(当時):72地域、7競技・68種目
・長野から初めて実施された競技:カーリング・スノーボード
・日本人メダルラッシュ 金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル4個

〇人員
選手        2,305人
役員        2,333人 
メディア    8,329人
運営委員    44,066人 
ボランティア 32,579人 
観客    1,442,700人

〇市民の協力
・「はあてぃ長野」推進運動
1995年から長野市内の26の行政区それぞれに自主的な活動がスタート
Heartyとは「心から」「親切な」という意味で、「ボランティアとして登録するよりも、
開催都市の市民でなければならない協力をしていきたい」という市民の声が運動に発展。

特徴は行政主導でなく自主的に活動するものであった。

・7つの専門部会

啓発運動専門部会、花と緑の専門部会、イベント専門部会、交通整理専門部会
広報記録専門部会、環境美化専門部会、観光案内専門部会

・予算
①地区内の世帯からの均一の会費を集める
②地区内の団体や企業からの会費を集める
③区長会の予算を一部使用する

長野市からは1地区最大35万円を助成した(1995年~97年の3か年で)
あくまでも、ボランティア組織でははく、各地区による独自の活動


〇それ以外のオリンピック支援組織が複数誕生
・長野冬季オリンピック協力会
→商工団体で組織された団体(団体・企業が会員)

・NAGANO ORYMPIC WAVE 実行委員会
→子どもやボランティアを中心とした活動団体

・長野地域冬季オリンピック推進協議会
→長野を訪れる人を温かく迎える体制づくり
(長野市、長野市周辺市町村との連携をはかる)

・長野冬季オリンピック青年会議所連絡協議会


〇大会運営に大きな役割を果たした「ボランティア」
ボランティア登録者 32,579人(公募21,887人、支援10,692人)
・研修を重視/公募・面接でリーダー選出/配置と処遇はNAOC(長野オリンピック組織委員会)が実施

・語学ボランティア(25言語/5,552人)


・文化交流ボランティア(31会場/188団体/延べ15,489人)

※雪の降る真夜中にバス発着の案内への従事や、午前2時起きでコース整備に出るなどのボランティアなどのつらい業務も多かったが、「みんな笑顔を忘れず、親切だった」と選手、役員、観客から感謝され、これらの活動を伝えたアメリカ紙の新聞記事では「長野に感謝の金メダルを贈りたい」ボランティア活動に対する高い評価。


〇オリンピック競技施設について

・「ビッグハット」 アイスホッケー会場

現在の所管は観光振興課、夏はイベントスペース冬はアイススケート場

・「ホワイトリング」 フィギアスケート・ショートトラック会場
現在は体育施設としてバスケや卓球などで土日は一杯

・「スパイラル」 ボブスレー・リュージュ会場
維持費がかかる施設なので平昌オリンピック以降は「休止予定」

・「エムウェーブ」 スピードスケート会場
現在の所管は観光振興課、夏はコンベンションなどのイベント会場、冬はスピードスケート

特に「エムウェーブ」では、長野オリンピック以降は全日本クラスなど大きな大会が
長野市で開かれるようになり、開閉会式会場は「長野オリンピックスタジアム」としてプロ野球の大会が開催されている

※現状では、ボブスレー・リュージュ会場「スパイラル」について維持管理費がかさむことから平昌オリンピック終了後は休止予定であるが、それ以外の施設はそれぞれの施設の特徴を生かし多くの市民に利用され、全国大会会場や、イベントやコンベンションなどのMICE関連施設として有効利用されている。

〇宿泊施設
長野オリンピックの開催に合わせて多くのホテルが開業したが、オリンピック会場となった各施設の後利用が有効に活用されていることや、国内外からの観光客が増加していることから、現在においても特に供給過多な状況になってはいない。


②レガシーについて
→大会後に残る有形無形のレガシー、すなわち社会的遺産・文化的財・環境財

〇大会前と大会後に住民意識調査(アンケート)を実施
大会前1997年12月/大会後1998年3月~4月

・長野オリンピックへの関心度
・長野オリンピックに対する認知度
・開催前後の意識の変化
・市民によるオリンピック評価
・オリンピックの観戦について

※アンケート結果は、関心が増大し、認知度が高まり
長野市民としてのアイデンティティが向上した(ある意味で当然とも思える結果)

※デンマークとは長野オリンピックの際の交流が契機となり、長野市が来る2020
東京オリンピックの事前合宿地となった


〇インフラ関連のレガシー
高速道路の整備、一般道路の整備、長野新幹線開通などの「公共交通の整備」

〇ボランティアネットワーク
毎年4月に開催される「長野マラソン大会」(フルマラソン大会)は参加者10,000人に対して、大会ボランティアが10,000人の大会であり、参加者からは「ボランティアの皆さんが素晴らしかった」という高い評価を得ている。


これらは、長野オリンピック時代のボランティア組織やネットワークがベースとなり
個々人の主体的な活動となって引き継がれている。

〇ソフト関連のレガシー
外国人に対して「長野」の名前が浸透したことで、近年では中国・韓国・台湾からの観光客が非常に増えている(→インバウンドのはしりとなっている)

「子ども」に対しては、当時のオリンピック選手を見たことがキッカケとなり競技を始め、20年近く経過した現在においては、全日本クラスのオリンピック選手を目指す選手が誕生


【山本の視点】
長野オリンピックの成功は、長野市民一人ひとりによる〝おもてなしの心”が結果的に3万人を越えるボランティアとして大会運営を支えたことであった。

ヒアリングにより、ボランティアを所管する長野オリンピック組織委員会(NAOC)は当初(開催4年前)からボランティア組織の全体構想を考えていたとは思えないが、開催が近づくにつれて現場レベルで「あれが足りない」「これが必要だ」ということからボランティア活動が広がって来たようだ。

そして、このボランティア組織が有効に機能したのは、多くの支援ボランティアの存在と長野市役所の職員の多くが支援ボランティアとして、「ボランティアの取りまとめ係」として活躍したことが大きいように感じる。

当時は長野オリンピックに関連する巨額投資が、「オリンピック終了後」の負の遺産となることが危惧されたが、現在において当時整備された施設や交通インフラが現在においても長野市のポテンシャルを高める社会インフラとして十分機能し、さらにオリンピック開催都市「長野」としての認知度が高まったことから、確実に観光客が増加している。

また会場となる「施設」と「宿泊施設」、さらには「公共交通」が整備されていることから、全国大会の誘致やMICE関連のコンベンションなどの誘致も進んでいることから、経済効果も高まって来ている。

また、今回の長野市への視察では「レガシー」についての調査であったが、目に見えるハード関連のインフラ整備は明らかにレガシーとして残ることは理解できたが、ソフト関連のボランティア組織や、オリンピック開催都市としての「認知度向上」も大きなレガシーとなることが理解できた。

そうであれば、人と人とのつながりを生み出すキッカケとして「ボランティア組織」を活用するという視点や、わが街でオリンピックが開催されたという「アイデンティティの確立」や「シビックプライドの醸成」、さらには世界に発信される「オリンピック開催都市」という認知が向上するメリットを、海外からの観光客誘致という「観光戦略」へ結びつける仕組みが極めて大切だと感じた。

最後に印象的だったこととして、長野オリンピックが開催されてからまもなく20年となるが、当時の合言葉は「オリンピックムーブメント」という言葉であったそうで、当時は「オリンピックレガシー」という言葉や考え方は無かったそうだ。

これから時代の変化はますます激しくなると予想されるが、東京オリンピックが開催される2020年の20年後、つまり2040年の日本において、「オリンピックレガシー」という言葉はどのように受け取られているのかを意識して、未来へとしっかり引き継がれる本質的な「レガシー」を構築していかなければならないと感じた。

 

長野駅の壁面にある「長野オリンピック」のマーク
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