こんにちは。
「ITコンシェルジュ」こと、
UTソリューションズ 吉川です。

 

◆初心者がYouTubeから始めたDX・・・松浦機械製作所のチャレンジとは?

 

 

DXが叫ばれているなかで、「DXを進め方がかわからない」・「デジタル人材がいない」などの課題を抱えている企業も多いでしょう。

 

IPAの「DX SUQARE」より、DX推進事業に成功した企業の事例をご紹介します。福井県に本社を置く、工作機械メーカーの松浦機械製作所です。

2回に分けてご紹介します。

https://dx.ipa.go.jp/interview-matsuura 

 

松浦機械製作所では、動画制作等のデジタルマーケティングや基幹システムの最適化、AI技術を活用したキーテクノロジーの進化などDX推進に取り組まれています。


2021年7月には、国から「DX認定事業者」として認定されました。

 

DX推進の取り組みの裏にはどのような苦労があり、それらをどのように乗り越えてこられたのでしょうか。

DX推進室長である松浦悠人取締役にお話を伺いました。

 

◆初心者ふたりのチャレンジ精神がDXの道を切り拓いた

 

―― DX推進室はどのようにして発足されたのでしょうか?

コロナ禍での営業スタイルの変化が大きなきっかけです。

 

いままでの営業活動は、直接お客様の元へ訪問するか、工場見学にお越しいただく形が中心でした。


しかし当社のお客様の7割は北米や欧州など海外であることから、コロナの影響で対面での営業が難しくなってしまったのです。

 

「他社ではデジタルマーケティングに力を入れて取り組んでいる。

このままでは競争に負けていく、当社も手を付けなければいけない」

という危機感が共有されました。


2020年9月にDX推進室が発足。私と部下1名がメンバーに任命されました。

 

―― DX推進室発足後、どのような取り組みを始められたのでしょうか?

手始めに、“まずは私たちでできるところからやってみよう”という思いで、動画共有プラットフォームとして人気のYouTubeに掲載する動画の制作をはじめました。

 

具体的には、お客様への営業PR用動画や機械操作・組み立て手順を示した動画マニュアルなどを制作しています。


動画に置き換えることで、問い合わせ対応などを省人化することができました。


これこそが業務効率化や生産性向上に繋がり、いわゆるDXなのではと感じています。

 

―― 動画制作を進める過程で、とくに苦労されたことがあれば教えてください。

技術情報の取り扱いですね。

“お客様が抱える困りごとを解決する”


ことでは、「動画を公開すれば、独自技術を守ることが難しくなってしまうのでは」と反対の声も上がりました。

 

しかし、この動画を公開することで、当社にとっても業務効率化というよい効果が得られると自信がありましたし、 


「せっかく作った動画を諦めたくなかったんですよね。」

 

そこで、既存のお客様にのみご覧いただけるようセキュリティを強化するなどして、なんとか公開に漕ぎ着けました。

 

―― そのような苦労の中で、動画制作が成功した理由はどこにあると感じていますか?

“自分たちでやってみる”というチャレンジ精神があったことが、大きな要因だと思います。

 

社内アンケートでどんな動画制作がいいか聞いたところ、とても多くの要望がありました。


外注だと、進行管理の時間や外注費がかさむため、自分たちでできることは自分たちでやるほうが長期的には有効だと考えました。

 

DX推進室のメンバーが初心者ながら成果を形にできたこと。


さらに蓄積したノウハウを社内共有できたことで、動画マニュアルの制作も進んでいます。

 

◆自分で手を動かす楽しさから、基幹システムの構築・AI技術の活用まで取り組む

 

 

 ―― 2021年7月には、DX認定制度で福井県初の認定を受けられています。なぜ認定を受けようと考えたのですか。


はい。当社の役員から

「認定を受けると税制の優遇もあるらしいよ、

考えてみたら?」とチラシを手渡されたことをきっかけに、申請を決めました。

 

私たちが取り組む

“DX推進”や動画制作は、

売上・顧客数増加などといった

「目に見える効果」を短期間であげる

ことが難しいものです。


しかし税制の優遇が受けられます。

 

また

国から認定を受けられたことは、

社内外から理解を得て取り組みを

進めるうえで重要

だったのではと振り返ります。

 

実際に、

認定をきっかけに取材や説明会登壇

などのお声がけも数多くいただいており、

効果を実感していますね。

 

松浦機械製作所の認定された「DX認定制度」については、こちらの記事もご覧ください。

 

―― これからDX推進に向けて動き出す企業に、アドバイスをお願いいたします。

 

DXは “デジタル人材がいなければ推進できない” ものではないのだと思います。


私たちも、動画制作スキルやデジタル・テクノロジーの専門知識を豊富に持っていたわけではありませんでしたから。

 

皆さんも

「私は文系だから」

「初心者だから」は関係なく、

まずは自分で手を動かして、

小さなことからチャレンジして

みてはいかがでしょうか。

 

株式会社 松浦機械製作所

 

 

これで前半分が終わりです。

明日は、後半分をご紹介します。

 

DXを始めるとなると、どうしても最新ITを導入しなくてはと考えがちですが、その前に根本的なやるべきことがあります。


自社の経営課題の洗い出しです。

そこからスタートすることが10年後でも生き残っている企業となれるのです。

 

 

 

今日も最後までお読みいただきまして

ありがとうございました。