「【新設定】スピーカーシステム」の1台目を仕上げてみて。 | くるまの達人

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とか、タイトルで謳いながら、実はただの日記だったりするけど、いいですか?

前回のブログで、『【新設定】スピー
カーシステム』の1台目が完成したこ
とをお知らせしました。

『【新設定】スピーカーシステム、
        W124完成』


難しかったサウンドセッティングを車
種別にプリインストールすることで、
スピーカーシステムを装着してくださ
ったすべての方に、わたしが仕上げた
試聴車と同じ音楽再生環境をお届けす
ること。そして、純正やあの頃系のお
気に入りヘッドユニットがあるインテ
リアの雰囲気を現代の音楽再生環境と
ともに実現することの2つが大きな柱
の、新しい取り組みです。

詳しくは、上記のブログをご覧くださ
い。


サウンドセッティングと、機材の取り
付けの基本データを収集するための車
両提供を兼ねた取り付けサービスを募
集したところ、たくさんの問い合わせ
をいただき、すでに8台の作業が確定
しています。引き続き募集しておりま
すので、そちらも前述のブログをご覧
ください。


さて、この試みの最初の1台が、W1
24セダン・レザー内装で完了して、
先週の土曜日に、大阪のオーナーに愛
車をお戻ししました。純正ヘッドユニ
ットのあるオリジナルインテリアの光
景を見て、その景色のまま最新機材が
鳴らすスピーカーシステムからの音楽
を聴いて、握手を求めてくださるほど
喜んでいただきました。

試行錯誤が必要な1台目で、予定より
も1日多く時間が掛かってしまうほど
苦労しましたが、ほんとうにうれしか
ったです。



"2018_w124_sedan_rhd_lea
         _02_takarazuka"

そのオーナーの愛車で仕上げたサウン
ドデータのファイルを、そう名付けま
した。大阪でW124を引き渡した後、
実家の宝塚まで送っていただき、そこ
でもう一度パソコンで接続して再調整
して仕上げたので、ファイル名の最後
に"takarazuka"と付けてみました。
"02"とあるのは、茅ヶ崎で仕上げたデ
ータが"01"だからで、そのデータもわ
たしのMacの中に保存されています。

大阪まで走りながら何度かサービスエ
リアで修正を加えて、納得のゆくデー
タとして完成した"02"というわけです。

今後、W124セダンのレザー内装で
リクエストをいただいた方の機材には、
このデータをプリインストールしてお
届けすることになります。

クロスオーバーネットワーク、手元の
コントローラーで呼び出せる「ドライ
バー正面の音像」と「前席の両方で自
然に聞こえる音像」の2種類のタイム
アライメント、フロントスピーカーと
サブウーファーそれぞれ別々に調整し
たパラメトリックイコライザーなどが、
主な調整内容です。


そういえば、今回使用している機材に
は、純正ヘッドユニットが持っている
周波数設定のクセ(純正ヘッドユニッ
トは、あえてイコライジングにクセ付
けされている場合があり、必ずしもフ
ラットではありません)を補正してフ
ラットにする機能が付いているのです
が、コンピュータが自動的に処理を行
ってくれる過程で、現状の周波数特性
を表示してくれます。


これが、メルセデス純正の後期型テク
ニクス製ヘッドユニットとCDチェン
ジャーの組み合わせで再生したときの
周波数特性です。

100Hz以下はガクンと下がってい
ます。低音再生は端から意図されてい
ないことが見て取れます。低音を振動
ではなく音として感じやすい80Hzあ
たりに小さな山を付けて、それらしく
聞かせましょうということでしょう。
もっとも、低音域がきちんと出るよう
な設定だったとしても、純正スピーカ
ーでは出てこないでしょうね。それど
ころか、音がモコモコにふやけて、純
正オーディオとして重要な音声が聞き
取りにくくなると思います。

純正オーディオにとっていちばん重要
なことは、音楽再生ではなく、交通情
報やニュースを読み上げるアナウンサ
ーの声が、走行騒音の中でもよく聞こ
えることです。そのことを示すのが、
400〜600Hzあたりに見える山
です。この辺りは人間の声がよく乗っ
かる帯域です。あまり持ち上げすぎる
と電話の音声のようになってしまいま
すが、微妙に持ち上げることで目的を
果たしているのでしょう。音楽を聴く
には、かなりこもったもっさりした感
じになります。

そして、その倍音の1.2k〜2kH
zあたりにも山を設けてます。さきほ
どの帯域の乗っかってくる音声の滑舌
をよく聞かせる効果があります。具体
的には“S”の音がハッキリして、言
っていることが聞き取りやすくなりま
す。

15kHzあたりの山は、高域補正と
いうことなのでしょう。スピーカーシ
ステムのセッティングをするときは、
このあたりの帯域はほとんど触りませ
ん、ヘッドユニットで持ち上げなくて
も十分に出ていますし、むしろうるさ
く耳障りな感じに仕上がるので触らな
いのです。

さて、明日からシリーズ2仕様のW1
26スピーカーシステムが装着された
ファブリック内装のW126ショート
ホイールベースを預かります。わたし
の500SEは、スピーカーシステム
の製作を始める前にいじりすぎてしま
っているのでサンプルにならず、明日
やってくるW126でデータ取りをさ
せていただきます。

さて、どんな音に仕上がるでしょうか。
楽しみです。


山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
webTV「モーター日本」
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