２４リアドアスピーカーキットの製作
を終了します。
理由は、使用しているスピーカーユニ
ットの生産が終了したことによります。
わずかに残っていた国内の在庫をすべ
て買い取ったのですが、次回の製造の
見込みはないとのこと。１０００セッ
トくらい注文してくれれば、メーカー
に掛け合えると言われたのですが、そ
れはさすがに無理なので、残念ながら
手元で完成させた６セットのみで終了
せざるを得なくなりました。このうち
２セットをわたしの記録＆コレクショ
ンとして手もとに残しますので、４セ
ットが販売できる数になります。
使用しているユニットは端子なしでハ
ンダづけ処理する仕様で、端子付きの
ユニットであればまだ在庫があるらし
いのですが、現時点ではそれほど引き
合いもなく、予算の都合で新たにマウ
ント用の部品を作り直すこともできま
せん。端子付きのユニットを使っての
再生産については、市場でのニーズを
見据えながら検討します。
Ｓ１２４リアドアスピーカーキット製
作のために試聴したたくさんのユニッ
トの中から一発で決まったこのユニッ
ト、小径ながら豊かな表現力があって、
ほとんど悩まずに選択できました。
スピーカーユニットでお世話になって
いる代理店の方に後から教えてもらっ
たのですが、スティーブ・ジョブズ存
命中のアップル（当時はアップルコン
ピュータ、かな）が、自社製品用にハ
ーマン・カードン社に設計させたもの
のバリエーションだそうです。そうい
えば、見覚えのあるユニットです。小
さなコーン紙を有効面積をめいっぱい
活かすために背圧を嫌い、マグネット
とボイスコイルがリング状に設計され
ています。そのお陰で、コーン紙の背
面はすっきりと空間が確保されていま
す。ご丁寧に金属製のネットまで付い
ていますが、ホコリよけにはざっくり
し過ぎていますし、背圧コントロール
なのでしょうか……、わたしにとって
は存在理由が分からないという笑える
ほど情けない意味で、とても贅沢な仕
様です。ハンダづけ用のガラスエポキ
シ基板は、両極とも左右対称のデザイ
ンになっていますが、機能として使わ
れているのは片側のみです。その昔、
ジョブズは電子回路用のプリント基板
のパターンレイアウトが醜いという理
由でＮＧを出したことがあるという記
事を読んだことがあります。この話は、
過去に所有した初期のＭａｃの基板を
眺めながら実感したことがあるのです
が、ひょっとしたらこのユニットのこ
の無駄な部品取り（だって、半分にカ
ットすれば２倍も取れるんですよ！）
も？ と思うと、それだけで少しニヤ
ニヤすることができた愛らしいユニッ
トでもあったのでした。
もう少し長くなりますが、思えば、１
２４ワゴンは音づくりに苦労しました。
セダンやクーペ、カブリオレと違い、
乗車スペース内にサブウーファーがあ
るので、ヘッドユニットでどれだけ調
整しても低音が後方から届く感じが消
しきれない。サブウーファー周辺の共
振を止めると、この傾向はずいぶん改
善されるのですが、それでも前方に定
位した音楽のメイン要素と低音のつな
がりの悪さを感じることがある。リア
ドアスピーカーを活かすことで、ダッ
シュボードからリアゲートまでの音場
を１つのものとしてデザインしてみよ
うという発想を具現化したのが、リア
ドアスピーカーキットでした。フロン
トの繊細な音を台無しにしないユニッ
ト選定と鳴らし方をいろいろ研究して
完成させることができたリアドアスピ
ーカーキットを加えた現在は、低音の
後方定位感が薄まるだけでなく、車内
全体を立体的な音像で包み込むことが
できているという意味で、セダンやク
ーペを越えるところまで一気に昇りつ
めた感があります。このキット開発の
ために愛車を提供してくれた方と、恐
らく世界でいちばん上質な音楽が聴け
るＳ１２４が完成したねと大喜びして
からわずか半年の残念なお知らせです
が、いつの日か、これに代わるものが
創れればいいなとも思っています。
残り４セット、こちらから申し込んで
購入してください。
【Ｓ１２４リアドアスピーカーキット】
今回はちょっと残念なお知らせでした。
※※５月２３日１１時半、追記。
今朝の段階で、用意していた６セット
を超えるお申し込みをいただきました
ので、受け付けを終了させていただき
ます。今後、キャンセルが発生した場
合は、改めてお知らせいたします。皆
さま、ありがとうございました。
※５月２２日１４時半、追記。
用意していた４セットは、本日午前中
に完売してしまいました。このユニッ
トに合わせて作った台座部品が４セッ
ト余っているので、スピーカーユニッ
トの代理店に、あと４セット分もう一
度探してみてほしいとお願いしたとこ
ろ、２セット分４本だけ倉庫にあるこ
とが確認できたと連絡がありました。
これでほんとうにもう最後だそうです。
というわけで、あと２セットのみ、お
申し込みを受け付けられます。十分な
数を用意できずに本当に申し訳ありま
せんが、どうかご容赦くださいませ。
山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
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