支援塾
代表取締役 プロデューサー
大谷由里子 さん
ドキドキすることといえばね、やっぱ
人が変わっていく瞬間。この人にこん
な可能性あったんや! って。それっ
てね、きっと本人も気づいてなかった
し、もちろん私にも最初は分かるわけ
ないわなぁ。
でも人って何かきっかけつかんだ瞬間、
うわって変わるんよ。それが自分の目
の前で起こるのが、もうめちゃめちゃ
楽しい。そうのが好きやねんね、私。
志縁塾には、いろんな方が来られます。
一体なにを教えてもらえるんやろって、
そんな顔した人もいます。でもね、そ
れはちょっと違うんです。
私、教育ビジネスをやりたいわけじゃ
ないんです。そもそも、それぞれの分
野で活躍してる人らに教えられること
なんか、私にあるわけないじゃないで
すかー。それでも帰るときに、楽しか
ったぁって言うてくれるんですよね。
なんか、うまいこといきそうな気がし
てきたわ、って。弾みがついたってい
うんでしょうか。それでいいんです。
私の役目は、そういうことやと思てま
すから。
いつも明るいねって言うてもらえるん
ですけど、実は私、めっちゃ泣き虫。
ほんま、しょっちゅう泣く。
誰かに前向きのきっかけをつかんでも
らうためには、まず相手に心を開いて
もらわなダメなんです。旧知の仲なら
ともかく、限られた時間の中で心を開
いてもらうことって、難しいことやと
思います。
そうするとね、なんでこんだけやって
るのに、思てることが伝われへんねん
って、自分に悔しくなることがあって。
もう涙が出てきてしまう。
でもね、次の瞬間に思うのは、なんで
もうひと言付け加えてあげへんかった
んやろうとか、なんでこんなことに気
がつかへんかったんやろってことなん
ですよね。
人の気持ちって、自分がやった分しか
戻ってこない。せやから相手に気持ち
が伝わらないときって、自分が忙しい
ときやったりすることが多いんです。
あのね、自分のことをなんも考えてく
れへんって不平を言う人に限って、他
人のことなんかなんも考えてへんって
思うもん。あかん、自分も忙しさにか
まけて、似たようなこと言い始めてる
やんって感じやねぇ。
私、とっても幸せやと思う。仕事、楽
しんでるし。人に教えられることなん
て、なにひとつ持ってないのに、こん
なにたくさんの人と出会えて、こんな
に喜んでもらってる。めっちゃ楽しい
ねん。
自分にこんなことができるんやって気
づかせてくれたんは、きっと吉本興業
の上司や、いろんなところで知り合っ
た人なんですよね。
ほんま、どんな恩返しをすればいいん
ですかって聞いたことあるもん。
そしたら、おまえに恩返ししてもらお
うなんて思ってないわ、やて。その代
わり、おまえは自分がしてもらったと
感じることを人にしてやれ。そしたら
その人が、そのうちオレに返しに来て
くれるんや、って。
今までの人生で私、なにをしてもらっ
てきて、なにをしてきたんやろうって
考えたら、それがまさにコーチングや
ということなんです。
自分の我を押しつけて従わせようとす
るんではなく、相手の中にある可能性
を見つけて、いちばん素敵に輝くため
の方策を一緒に考える。
私のカタチに合わせてちょうだい!
とか、絶対に思わへん。それどころか、
意外と自由に変幻自在に対応できる。
私、心底マネジャー体質やねん。
だって、ずっとそうやって大人にして
もらってきたし、せやから自分も誰か
にずっとそういう風に接していきたい
って思うの。ほんまやで。
Interview, Writing: 山口宗久
「かもめ」2008年3月号掲載
※内容は、すべて取材時のものです
※記事掲載への思いについて。
山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
Twitter / nineover
facebook / Yamaguchi Munehisa