癒やしの曲(ヨハネス・ブラームス晩年の小品ほか)

NHK総合2021年1月23日 2時30分~3時30分「魂のタキ火「特別編 癒やしの炎」」
 「魂のタキ火」は本来BSでやっている番組らしいのですが、時々総合でやってくれます。特別編では人の登場はなく、ただずっと炎の映像とパチパチと焚き火の音とBGMのみで、確かに不思議な癒やしがあります(私などは癒してもらうほど世の中で働けていませんが)。BGMは、マーラー第5番のアダージェットのギター編曲版だったり、「亡き王女のためのパバーヌ」であったり、ドビュッシーの「夢」であったりでしたが、中で一つ、何度も聴いたことがあるのにすぐ曲名を思い出せないものがあって気になり始めてしまい、番組が終わって30分後くらいにふっと思い出しました。BGMではギター編曲版でしたが、ブラームスの作品118-2(ピアノのための6つの小品第2番 間奏曲)でした。
 そういえばNHK総合の深夜のトラムの映像のBGMでも流れていました(だから何回も聴いたような気がしたようです)。人気の曲です。

 新型コロナによる生活の抑制で、焚き火の炎や癒やし感のあるクラシック曲のBGMは癒やしになりそうではありますが、職を失ったり、それどころではない方々もおられると思います。先日、ハローワークの求職登録の更新のため久々にハローワークの出張所(自治体と共同で運営していて非常に小規模な求人検索と応募取り次ぎのみやっているところ)に行きましたが、その時は他に誰も求職者はいなかっかったものの、相談員の方の話では(コロナによる失職で)行列ができることもあるということでした。また、医療の仕事、介護の仕事、食品や日用品販売等接客の仕事に従事される方々の中には過酷で新型コロナに伴う強いストレスを抱えておられる方もいらっしゃることと思います。なんと言ってよいかわかりませんが、新型コロナに対して社会が正常な日常により対応可能になることを祈るほかありません。

 脱線しましたが、本題に戻ります。ブラームス晩年の曲にはこうした、深い哀愁というのか、あの交響曲第1番の重量感とは全く違う、力みが少しもなく、しみじみと語りかけるような小品があります。この作品118はクララ・シューマンに献呈されているとのことです(※1)。「間奏曲」と言っても何かの間奏曲ではなく、インテルメッツォはインテルメッツォでも、ロマン派の性格的小品(自由な発想でつくられたピアノのための短い楽曲(※3))のひとつです(※2)。
 ブラームスの晩年の間奏曲のもう一つの人気曲は作品117-1です。私事ですが、昨年3月までやっていたNHKFM「きらクラ!」のBGM選手権(パーソナリティのふかわりょうさん、時々、遠藤真理さんによる文学作品から円周率まで様々な1~2分前後の朗読のお題にクラシックのBGMを投稿する企画で、1回のお題に3~4投稿が選ばれBGM付きの朗読が放送された中で1つがベストBGM賞に選ばれました)にこの曲を投稿しベストBGM賞をいただきました(お題は、種田山頭火セレクションで、「秋のブラームス祭り」によりブラームス限定企画。ほかに同じ曲を投稿されたかたがお二人おられたようですが私の投稿が読まれました。)。この番組は2年目あたりから聴くようになり、BGM選手権では5回オンエアに選ばれ3回ベストBGM賞をいただきました。思い出深いです。
 その他、癒やしの曲として、昨年暮れに記憶に残ったのは、2020年11月16日再放送による放送「音楽の泉」で最後に紹介された、
「白鳥」サン=サーンス:作曲 ゴドフスキ:編曲(ピアノ)江口玲(2分53秒)<NYS CLASSICS NYS-80619>
でした。
 今回はYouTubeの音源もつけてみました。ゴドフスキ編曲「白鳥」の江口玲さんの演奏は下記の音源よりもテンポがもっとゆっくりで良かったのですが、リンクできそうな適当な音源(曲はパブリック・ドメインと思われるので、あとは公式or演奏者本人提供と思われるもの)がありませんでした。

(注)当初、「ピティナ・ピアノ曲事典」からのYouTube動画のリンクも付けていましたが、ピティナの動画によっては、出典表示だけでは足りず(しかも公的な目的で使用との記載もあり)、転載した旨の連絡が必要という記載を見つけたため、とりあえずピティナの動画は取り下げることにしました。このブログは公的なものでもないですし、音楽の研究のような要素も現状では入っておりませんので遠慮すべきだと考えました。(2021年2月5日)

 

ブラームス「ピアノのための6つの小品第2番 間奏曲(Op118-2)」演奏者 イディル・ビレット (ナクソス・クラシック・キュレーション

https://youtu.be/j_jj53ddbMs

ブラームス「3つの間奏曲第1番(Op117-1)」演奏者 イディル・ビレット (ナクソス・クラシック・キュレーション)

https://youtu.be/d0pWKjVFg4o



ブラームス「3つの間奏曲第1番(Op117-1)」演奏者 Eric Lu  (Warner Classics)曲の途中までです

https://youtu.be/b9Ibc2DCAEo


サン=サーンス作曲 ゴドフスキー編曲「白鳥」演奏者 Cyprien Katsaris

https://youtu.be/Lz-cHWOgr2k

サンサーンス作曲 ゴドフスキー編曲「白鳥」演奏者 不明

https://youtu.be/9MKmeHJhhZQ


※1:「6つの小品(ブラームス)」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/14  08:15 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※2:「間奏曲」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/14  06:08 UTC 版)https://ja.wikipedia.org
※3:「性格的小品」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/7/13  11:18 UTC 版)https://ja.wikipedia.org

 

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