中京大学スポーツ科学部競技スポーツ科学科
教授 渡邊航平氏の研究室
では、Neuro Muscular Physiology (神経筋肉生理学)を研究しています。
平たく言えば、運動神経を測定することだと思います。
一般的な、『あの子運動神経いいよね』を科学的に解明する研究だと解釈しています。
その被験者として名古屋高校サッカー部は協力をしています。
その結果のフィードバックがありました。
持っている筋力と、脳からの神経入力を測定して、今自分が、どちらの分野が足りていないかを知り、効率の良いトレーニングに繋げる事がこちらの目的です。
高校3年間は非常に短く、回り道をしていては時間がもったいないということで、このようなアプローチに協力しているということです。
タイプは四つに分類されます。
神経、筋力ともに○
神経△、筋力○
神経○、筋力△
神経、筋力ともに△
筋力が△ならば、筋肥大を目的とする
低重量の、高回数のトレーニング
神経が△ならば、神経伝達を良くするために、
高重量の、低回数で使っていない筋への刺激を入れることを目的とするトレーニングを行う。
とバランスのよい身体作り、動ける身体を作ることができます。
人の顔がそれぞれ違うように、持っているものもそれぞれ違います。あくまでも全体練習では、最大公約数的なトレーニングが主となります。
個々の能力をあげるのには自主練が欠かせませんが、それぞれこのような形で自己分析ができていると最短距離を目指すことができます。
同時に、PHV(Peak Height Velocity)も測定しました。いつ身長のピークを迎えるのかの速度を測るものです。これは身長の伸びを予測するだけでなく、身体の成長がこれからくるのか、ある程度きているのかがわかります。
これに、現在の筋肉量を合わせる事で、成長に対して、適切な筋力量か、まだサボっているのかが分かります。
これも非常に客観的な資料になります。
今後はこの研究室と、GPSを用いた測定も行い、実際のパフォーマンスに繋げていく予定です。
選手は常に数字で追われることになります。
しかし、これは逆に言えば客観的な物差しになります。我々人間が見る世界は、バイアスがかかっていることがよくあります。映像を見返してみると、意外な発見がたくさんあります。
このようにして、事実に基づいて指導ができるようになっていきます。恐ろしい世界ですが、当たり前の時代になっています。