「この鳥はとても首が長いね」と少年が図鑑に載っている鳥を指差しながら言った。
「こちらの鳥の方が長いよ」と一緒に図鑑を見ていたもう一方の少年は言った。彼は別の鳥を指差していた。
「そうだね。でも、もっと首が長い鳥がいるよ。ほら」と少年は他の鳥を指差して言った。
ページを捲っていくと次々と首が長い鳥が見つかった。図鑑の鳥は首が長い順に並んでいるようで鳥の首の長さは際限がないかのようだった。まだ半分程度しか読んでいないので後半はさらに鳥の首が長くなっていくはずだった。少年達はどれだけ首が長くなるのだろうかと想像し、期待感が高まってきたので愉快で堪らないような気持ちになった。二人はさらに首が長い鳥を見つける度に声を立てて笑った。
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