ステロイド剤は炎症を抑える薬 | やまびこDr.の診療日記

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人生の大事業の子育ては、ほとんどぶっつけ本番! 分からない事だらけで心配がつきません。
でも正確な情報を知り納得できれば心配は減らす事が可能です。
薬よりもっと大切な事をお伝えする小児科医のブログです。

ステロイドの薬(剤)は炎症を抑える薬です。

炎症があると、痛み・腫れ・赤み・熱を持つ、の四つの症状が現れます。

 

捻挫は、物理的刺激が原因で起こる炎症です。

扁桃炎は、病原体が原因で起こる炎症です。

やけどは、熱が原因で起こる炎症です。

 

炎症は治るために体が引き起こしている反応です。

 

ステロイドは副腎という臓器から分泌されるホルモンで、炎症が起きすぎないようにするブレーキ役の物質です。

それを薬として使用することで、より強力に炎症をおさえて痛みや腫れを良くするのが、ステロイド剤の目的です。

 

ステロイドの薬は痛みなどをよくするのですが、根本的なところは治していません。

又ホルモン剤ですので、使いすぎると体のホルモンバランスを崩すことにもなります。

そういうことで、ステロイド剤を使用することに抵抗を感じる患者さんもいます。

 

しかしそういう患者さんは医療者から理解されないことが多く、特にアトピー性皮膚炎にステロイド軟膏はどうしても使いたくないという患者さんに対しての風当たりが強くなります。

 

そういった患者さんは、東洋医学やホメオパシーなどの違う方法を選んだり、ステロイドを使わない治療を認めてくれるクリニックに通ったりするのです。

 

生後2−3ヶ月で発症するアトピー性皮膚炎の子たちは、ステロイド剤を使わなくても1歳から1歳半までに自然によくなることがほとんどです。

又、ステロイド剤を使っても良くならない人の中には、やめることで良くなる人もいます。

 

しかしそういう患者さんたちは病院にかからないので、ステロイド剤を使わずに治る方がいるということを医療者は知る機会がありません。

 

逆に、一般的な治療でも治る人ももちろんいます。ステロイド剤を使っているうちに根本的なところが自然に良くなっていくことがあるためです。

そしてステロイド剤を使わず悪化し入院する方がたまにいるので、そういう人を見れば、ステロイド剤を使わない治療はよくないと思うわけです。

 

ステロイドを使っても使わなくても、良くなる人もいるしなかなか良くならない人もいます。

そしてどちらであっても、なかなか良くならない人をみると、「やっぱりステロイドを使う(もしくは使わない)治療はよくない」と思うので、お互いに理解できないということにもなってしまいます。

 

ステロイド剤を使う治療と使わない治療、どちらかが絶対に正しいわけでもないし絶対間違いというわけでもありません。

自分が感じる感覚により、その都度選んでいけばいいと思います。

そして、その選択がイマイチだったなと感じたら、その時点で選び直せばいいと思います。

 

最近のことですが、全身の湿疹と下痢のため体重が減っていってしまった8ヶ月児がいました。

入院治療を勧めましたが、やはりどうしても入院はしたくないとのことでしたので、ステロイド軟膏を塗りながら外来で経過を見る事を提案し、お母さんはその方法を選び、その後体重が徐々に増えていき入院せずにすんだ、という例がありました。

 

今回は、お母さんと医療者との信頼関係ができていたこと、本人(8ヶ月児)が大丈夫という顔をしていたこと、そして何よりお母さんの我が子への想いがステロイドを使う決心をさせた事により、今回は良い方向に向かいました。

 

どの治療であっても、これをすれば絶対大丈夫!というものはありません。

だからこそ医療者は、様々な角度からの情報をお伝えして選んでもらうことが必要だと思います。

 

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7月の予定

 

7月 8日(月)大阪府交野市 午前 子育て講座(2時間)

              午後 乳児健診&医療相談

7月11日(木)クリニック 13時−15時半 癒し体操

7月18日(木)クリニック 14時−15時半 やまびこママの会

 

※予約やお問い合わせはクリニックに電話、もしくはFBのメッセンジャーでお願いします。