症状は体からのサイン | やまびこDr.の診療日記

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今日の患者さんのお話です。

 

中学一年生の男の子ですが、二学期が始まってからめまいと胸部不快感が続くため、近くの内科を受診し、起立性調節障害と診断されました。

 

起立性調節障害とは、思春期のお子さんによくみられるもので、立ちくらみのひどいものと考えてください。

寝た状態から立ち上がる時、脳に血液が行くように全身の血管が自動的に細くなります。それをしているのは、自律神経という自分の意志では調節できない神経です。思春期は体が大きく変化するために起こる、その時期特有の一過性の不調です。

 

治療は血管を細くする薬を投与することですが、それで症状が軽くなる子もいれば、全く変わらない子もいます。

その子も症状が軽くならなかったためその主治医は漢方薬を処方したそうです。

 

その漢方薬によりある程度良くなっていたようですが、長期にわたってきたため、その主治医(内科医)は小児科に任せるのがよいと判断し(中学生は小児科です)、基幹病院の小児科に紹介しました。

 

その病院のDr.は心理的要素が強いと判断し、すぐに精神科の病院を紹介したのですが、そこでお母さんは困り、うちのクリニックに相談に来たのです。

 

その男の子は小学校3年生からサッカーのクラブチームに所属していて、厳しい練習をこなしていました。

それが怪我をしたことで思うように練習ができなくなり、この夏にチームを離れることになりました。

 

現在は中学校の部活でサッカーをしているようですが、自分の思い描くサッカーはできずにいるようなので、やはり不調の原因はそこにあるだろうと思いました。

 

今現在、日本中の病院では病気の原因を肉体的・物質的なレベルに求めています。

 

インフルエンザの原因はインフルエンザウイルスとなっていますが、そうだとすれば、インフルエンザウイルスに感染した人全員がインフルエンザにかからないといけないはずです。しかし、症状が全くない人でも、検査をすると鼻の奥からインフルエンザウイルスが検出される人はたくさんいます。

アレルギーの原因も花粉やホコリとなってますが、花粉にまみれている人でも、花粉症にならない人もたくさんいます。

 

ウイルスや花粉というのは、原因ではなく引き金だとすると、違う考え方ができるようになります。

 

病気になる本当の原因は肉体的・物質的では説明できず、もっと奥深いところにあります。

 

仕事で疲れきっている人が、これ以上働くと命に関わると体が判断した場合、インフルエンザウイルスの力を借りて発熱させたりぐったりさせることで強制休養させるということもあるかもしれません。

 

自分らしく生きられていない人が、花粉症により鼻が詰まることで「息苦しい=生き苦しい」と体が表現してくれて、自分らしく生きるように促(うなが)しているのかもしれません。

 

このような考え方は現代医学においては全くしませんが、現代医学にも限界や矛盾もあるため、違う考え方を導入して良い方向に向かえば、それでよいと思います。

 

今日来た男の子も、自分らしく生きていられないことで体がサインを出していると思います。

 

めまいは、足元がおぼつかない、自分の人生をしっかり歩けていない、ということかもしれません。

胸部不快感は、心の中の恐怖や不安を表しているのかもしれません。

 

起立性調節障害が思春期の子に多いのは、体だけでなく心も大きく揺れ動く時なので、心理的な不安定さを体の症状として表現しているからなのではないかとも考えています。

 

その子には「ゲーム以外で、好きなこと、やってるとワクワクすることって何?」と聞いてみたら「サッカーやバドミントンやバスケ」だと答えてくれました。

 

自分らしく思いっきりプレーできる環境でのびのびとサッカーをしてみたいのに、それができないために体が「自分らしくやりなよ!」とサインを出しているのかな、と感じました。

 

お母さんのお話だと、怪我をする前のクラブチームの時にものびのびとしていたわけでもなく、レギュラー争いでピリピリしていたそうです。その時も自分らしく楽しいサッカーができていなかったため、怪我という形で体が強制的に方向転換させたのかもしれないとも思います。

 

「本当はどうしたい?」「本当の本当はどうしたい?」と自分の心の奥底に目を向けて行くと、不調の本当の原因が分かり、結果として症状が和らいで行くことが期待できます。

 

来月その子は又受診する予定です。次回は今日よりも、もっと明かるい表情で現れてくれると思います。

 

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