「怖がってもいいんだよ」と自分を許してあげること | やまびこDr.の診療日記

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14年前に今いる山梨県南アルプス市に開業しました。

開業にあたり、土地代・建物代・医療機器、その他諸々で、口に出せないほどの借金をしました。それを返すためには患者さんにたくさん来てもらわねばならないのですが、ありがたい事に少しずつ増えていき、借金を返せる目処がつくようになって来ました。

 

しかしたくさんの患者さんが来てくれるにつれ心身ともに疲れて来て、毎朝「また忙しい1日が始まるのか・・・」と憂鬱な日々が続きました。

 

当時唯一とも言える趣味が本を読む事でした。

 

幕末から明治にかけての歴史の本や、それ以降の日本の生活に関する本、相対性理論などの物理の本や、神道や仏教や武士道といった日本古来の宗教観に関する本、そして人生の生き方や心理学に関する本など、様々なジャンルのものを読みまくっていました。

 

その中の心理学的な本の中で、心を軽くする方法が書いてあるものがありました。

 

それはノートを用意して、自分の心から湧いてくる言葉を、ただ書き綴っていくというものでした。

自分の中で靄(もや)にかかってはっきりしなかった問題点を明確にすることで、問題を解決する方法です。

 

ある日仕事が終わり一人の時間ができた時に、それをやってみました。

 

新品のノートにボールペンで心の中の思いを書き始めたのですが、2−3文字書くとすぐに強烈な怒りが湧き上がって来て、手に力が入り、異常な筆圧となり、文字を書きながらノートが破れて行きました。

 

そして一行書き終わらないうちにノートがビリビリに破れ、最後は自分の手でそのノートを破って壁に投げつけていたのです。

 

その間ほんの数秒です。自分でも何が起きたのか理解できないうちに、無残な姿のノートを前に怒りに打ち震えていました。

 

その頃の私は、怒りを感じるセンサーをオフにしていました。自分には怒りという感情がないとさえ思っていました。

 

借金を返さねば、社会人だから休まず働かねばと「ねば」に縛られ、毎日毎日、自分の能力を超える仕事量をなんとかこなし、ギリギリの状態だったのに、それに気づかないふりをしていたのです。

 

心の奥にある想いを文字にするという作業をしたことで、抑えつけていたその怒りが瞬時に湧き上がり、ペンを持つ手が怒りで震え、ノートを破ってしまったようです。

 

「本当はこんな働き方をしたい訳じゃないんだ!!!」ということだったのだと思います。

 

怒りは恐怖の裏返しです。怒りを感じる時は、自分は何かを怖がっているのです。

レストランなどで注文したものがなかなか来ない時に感じる怒りは、自分の事を忘れられたかも、蔑(ないがし)ろにされているかもという恐怖が根底にあります。

 

誰かに文句を言われた時に感じる怒りは、自分の存在や言動を否定されたという恐怖があります。

 

怒りを感じた場合は、自分の中に恐怖があるはずです。

でも怖がる事は弱い自分を認める事でもあるので、人間の本能としてしたがりません。

そこを「怖がっていいんだよ」「だってしょうがないよね」と自分に許可を与えることで、怒りを感じることは減っていくはずです。

 

人間は自分の尊厳(プライド)を守るために強がって生きています。でもそのプライドのために、かえって自分を苦しめている場合も多いのです。

 

自分で自分を「弱くていいんだよ」「弱音を吐いていいんだよ」と許してあげるだけで、事態が良い方向に向くこともあるのです。

 

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