やまびこDr.の診療日記

人生の大事業の子育ては、ほとんどぶっつけ本番! 分からない事だらけで心配がつきません。
でも正確な情報を知り納得できれば心配は減らす事が可能です。
薬よりもっと大切な事をお伝えする小児科医のブログです。


テーマ:

年末に娘のお使い(通称パシリ)としてDVDを借りに行ってきました。その時妻に「○○—ウォーズの第4巻があったらついでに借りてきて」と言われたので、妻に聞いてみました。

 

僕「どの辺の棚にあるの?」

妻「壁のところにそういうコーナーがあるからすぐ分かるよ」

僕「どの壁??」

妻「カウンターをずっと行ったところ」

僕「カウンターのどこをどの方向に行ったところ??」

妻「カウンターの向こうにあるでしょ!(ややきれぎみ)」

僕「入口入って、右手にカウンターがあるよね。そこからみてどの方向?」

妻「(右手をあげて)こっちの方」 

僕「はいよ・・・(少々傷心ぎみ)」

 

車で7−8分でお店に到着。運良くお客さんが少なかったため、すぐに娘のDVDをGET。

そして妻の所望するDVDも何とか探して帰宅しました。

 

一昔前に、「話を聞かない男、地図が読めない女」という本が話題になりました。

そもそも男女で脳の構造が違うため、話が合わなくて当然、という内容だと思います(すみません、ちゃんと読んでいません・・・)。

 

カーナビの地図の方向の設定も、男性は北を上にして、女性は進行方向を上にすることが多いようです。それぞれに利点・欠点があり、どちらがいいというわけではないのですが、僕は北を上にしています。

 

地図上で今自分がどこにいるのかを知っていた方が分かりやすいためです。欠点としては、曲がり角で曲がる方向が分かりにくいということです。

 

進行方向を上にする場合は、曲がり角では方向が分かりやすいということがありますが、全体からみて自分の立ち位置が分からなくなります。

 

冒頭の妻との会話は、正にその違いだったのです。

 

僕の脳内地図は北を上にする設定で、妻のものは進行方向を上にする設定なのです。つまり違った風景を見ていたので、話が通じなかったのです。

 

見ている風景(地図)は人により全く違っています。違う風景をみながら説明しても分かるはずがありません。でも人間は、自分の見ている風景こそが全てであり、相手も同じものを見ているはずだと思い込んでいます。

 

ワクチンをうつかどうかの問題もそうだと思います。

 

ワクチン推進派の方の見ている風景は、ワクチン接種をしてこそ子供達が健康で幸せに暮らせるものです。

ワクチン反対派の方の見ている風景は、ワクチン接種することで子供達が病気になり苦しむものです。

 

それぞれにそれぞれの風景があり、他の人に伝える時には自分の風景をもとに説明してくれます。しかし人により風景は違うため、全く同じ風景を伝えることはできません。

 

風景の違いが小さければ伝わるかもしれませんが、大きくなれば話が噛み合わなくなり、理解し合うことが難しくなります。

 

そしてその風景を作り上げる材料は、生まれ持った元々の性質と、生まれた後に得た知識や経験などです。

 

知識は、学校や塾などの他、本やブログ、セミナーや講演会など、教師や著者などの、経験や知識が元になっています。

 

一人の人が一生の間に経験できることは限られているため、誰かの知識や経験で疑似体験することで、自分の経験値を上げていくのです。

 

誰かの教えてもらった知識の中にも他の誰かの知識が入っているので、知識は「伝言ゲーム状態」になっています。最初に経験をした人と、伝えられて何代か経った後の人では、全く違った風景を見ている可能性があります。

 

現代科学は、誰が体験しても同じ結果になるように、「実験による証明」という手法を大切にしています。そしてその実験結果=データを重視しているのが、EBM(evidence based medicine)=根拠に基づく医療という、現代医療≒西洋医学です。

 

西洋医学は素晴らしい学問であり、そのおかげでそれまでは助からなかった命が助かっています。でもデータも西洋医学も万能ではありません。

 

誰が体験しても同じ結果になるようにするには、人によって違うものを極力排除します。つまり、「こんな感じがする」「こういった気がする」という感覚的なものです。しかし人間は、データで表せる機械的・肉体的な面と、データでは表せない感情的・感覚的な面の両方で成り立っています。そのため、データだけでは表しきれないこともたくさんあります。

 

同じデータを見ても、それをどう感じどう解釈するかは、人により違ってきます。

同じ話を聞いても、それをどう感じどう解釈するかは、人により違ってきます。

 

誰かの知識や経験を見たり聞いたりしても、それを受け止める人により、その感じ方や解釈が違うので、その人に作られる風景も全く違ってきます。

 

ワクチンに慎重な方達の中でも、全く同じ風景を持っている方は、一人もいないのではないかと思います。

 

人間がロボットのように感情的・感覚的な面を持たなければ全く同じ風景を再現することは可能かもしれませんが、むしろ感情的・感覚的な面があるからこその人間ですので、同じ風景を描けなくて当然なのです。

 

書籍や講演会で得た知識は著者や演者が伝えたかったものと全く同じものではありません。

又得た知識も自分の知識や経験と混ぜられ、化学反応を起こし、新たな知識へと変貌をとげますので、さらに違うものになっています。

 

その新しい知識も、その後に得る経験などにより、又新たな化学反応を起こして更に新たな知識に生まれ変わったり、新たな解釈をする事により全く違う知識に変貌したりすることがあります。

つまり、自分の今見ている風景も、日々変化を繰り返しているのです。

 

誰かの言うことが絶対正しいと思わないでください。

自分の思っていることも絶対正しいと思わないでください。

自分の中でも日々変わり、他の人の意見も千差万別なので、全てが違って当然です。

 

大切なのは、自分の感情・感覚だと思います。つまり「いい感じがする」「ストンと落ちた」など「心地よい」「納得できた」感覚であれば、それに従えばよいと思います。

逆に、「なんか変」「違和感を感じる」など「不快」「納得できない」ことは、なるべく避けた方よいと思います。

 

自分の感覚を信頼しながらも、(自分を含めた)全ての人の多様性を認め合えば、楽に生きていけるのではないかと思います。

 

誰かの言葉ですが「一番信頼していて、しかも一番イラつかせる相手が妻であり夫である」というものがあります。

 

神様は全く違う風景を持つ二人をくっつかせておいて、事あるごとにイラつかせることで色々と気づかせてくれるのですね。ありがたいやらなんやら・・・ ^_^;

AD
いいね!した人

やまびこ小児科クリニック 横地真樹さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。