こんばんは
淡路島のびわをいただきました。果物が美味しい季節になってきましたね!夏はスイカ、秋には梨狩りに行こうと思ってます。
6月のテストマッチ月間が終了しました。この3週間で南半球3カ国で行われた全9試合、PNCの全6試合、仏バーバ戦の2試合、スコットランドvs豪州の計18試合をTV(PC)観戦しました。
北半球のチームが南半球のそれぞれの国に遠征し、複数試合を行うという遠征の形は、ラグビープロ化以前の伝統です(今回の形式のテストシリーズは1996年以来とのこと)。ラグビーの急速なプロ化とともに、古き良き伝統も残してほしいと思います。
その古き良き伝統の香りを感じさせてくれたのが、先日まで来日していたフレンチ・バーバリアンズのHOウィリアム・セルヴァ。ジャパンXVとの第2戦が彼の引退試合でした。農業国フランスを象徴するような屈強な農夫という感じの風貌だけでなく、行動も破天荒でした。ジャパンXVを熱烈応援するために上京した在阪某球団の応援団長が差し出したビールを一気に飲み干し、試合に臨んだようです(笑)。花園ラグビー場の名物親父とフランスの豪傑の愉快な交錯シーンでした。そんな彼の引退試合が日本での試合だったということも、これから何度も語り継がれるはずです。
~トゥールーズでも有終の美を飾ったHOウィリアム・セルヴァ(画像元:zimbio.com)~
この週末からは中断していた南半球のスーパー15が再開されます。本当に1年中世界のラグビーが見られて幸せな時代です。
【アレサナ・トゥイランギ、来日(正式発表)】
トップリーグのNTTコム・シャイニングアークスにWTBアレサナ・トゥイランギ(レスター・タイガース(英)所属、サモア代表)とCTBブラッキン・カラウリアヘンリー(ワラタス(豪)所属、元オーストラリア7人制代表)が加入することが正式に発表されました。
そのアレサナ・トゥイランギは185cm/117kgという数字だけではウイングとは思えないような体格で、相手を跳ね飛ばしながら前進する豪快なランが魅力です。カーン・ヘスケス(サニックス)、ネマニ・ナドロ(NEC)など外国人ウイングの相次ぐ成功を受け、トライゲッターの補強が1つのトレンドになっています。三菱重工ダイナボワーズ(トップイースト)に加入したWTBシェーン・ウィリアムズを中心に外国人ウイングに注目が集まりそうです。
トゥイランギ6兄弟については過去にブログにまとめましたので、よろしければ見てください(⇒★★★★★)。
~もう来日してます!(画像元:zimbio.com)~

【テストマッチ】
≪南アフリカ14-14イングランド (第3戦)≫
*開催日時:2012年6月23日(土)
*会場:ネルソンマンデラベイスタジアム(@ポートエリザベス)
〔得点内訳(南アフリカ)〕
*トライ:WTB JPピーターセン
*ペナルティゴール:SOモルネ・ステイン×3
〔得点内訳(イングランド〕
*トライ:SHダニー・ケア
*ペナルティゴール:SOトビー・フラッド×1、SOオーウェン・ファレル×2
〔最終戦はポートエリザベス〕
第1戦(22-17)、第2戦(36-27)と地元南アフリカの連勝で迎えた第3戦。舞台は東ケープ州のポートエリザベスにあるネルソンマンデラベイスタジアムでした。サッカーW杯(南ア大会)の会場として使用されたことで有名ですが、来季からスーパーラグビー参入が濃厚なEPサザン・キングスのホームスタジアムでもあります。元々、反アパルトヘイト運動の拠点でもあったポートエリザベスのスタジアムでは、ラグビーを楽しむ黒人の観客の姿が目立ちます。内陸のプレトリアやヨハネスブルクと比べて、スタンドの雰囲気がかなり異なります。
〔ヒオ・アプロンの気合い〕
国歌斉唱時に印象に残ったのがスプリングボクス(南アフリカ代表)の15番ヒオ・アプロンの感極まった表情。公称は175cmのヒオ・アプロンですが、実際は170cmそこそこのサイズだと言われています。どんな相手にもひるまない勇敢な選手として知られていますが、この時の表情にテストマッチに賭ける強い気持ちが表れていました。
~テストマッチに賭ける並々ならぬ気迫を見せたFBヒオ・アプロン(画像元:zimbio.com)~

〔前半〕
この試合、イングランドのHB団はSHダニー・ケアとSOトビー・フラッドでした。SHダニー・ケアはSHベン・ヤングスの怪我でチャンスを掴み先発。度重なる素行不良により、しばらく代表からは遠ざかっていましたが、汚名挽回のプレーを期して臨みました。一方のSOトビー・フラッドの起用は戦術的な理由によるもの。彼の起用にはボールをテンポよく動かす意図が込められていました。
双方PGで3点ずつ取り合った後の前半10分。イングランドのLOトム・パーマーがスプリングボクスのSOモルネ・ステインのキックをチャージ!そのまま敵陣深くに攻め込んだイングランドは、サイドアタックで数フェーズ重ね、最後はPからSHダニー・ケアーが判断よくミスマッチを突きトライ(3-8)!
ところがここでイングランドにアクシデント。立ち上がりから期待通りにアタックのリズムを生み出していたSOトビー・フラッドが負傷退場します。代わりにSOオーウェン・ファレルがイン。
イングランドのスタンドオフがオーウェン・ファレルに代わってからは、双方キックを中心としたゲームの組み立てとなり、固いゲームになりました。前半の内にスプリングボクスもPGを2本返し9-8と逆転して、ハーフタイムを迎えました。
〔後半〕
後半44分。イングランドがハイパントでチャンスを掴みます。しばらく存在感の無かったイングランドのWTBクリス・アシュトンが、ハイパントキャッチをしたスプリングボクスのFBヒオ・アプロンに対し、ドンピシャのタックル⇒ノットリリースを誘います。ここは確実にPGを選択し、9-11と逆転します。
対するスプリングボクスは後半63分に、ようやく意図したアタックが成功します。敵陣深くに攻め込みフォワードのサイドアタックでイングランドの防御を集め、最後は大外のWTB JPピーターセンで仕留めトライ!14-11と再逆転。
このままでは終われないイングランドは粘りを見せ72分にPGで追いつき(14-14)、試合終了直前には敵陣深くでドロップゴールのチャンスを作りましたが、うまくヒットせず失敗。第3戦はドローに終わりました。
〔伝統のスタイルに回帰するイングランド〕
イングランドにとって今回の南ア遠征での未勝利(ミッドウィークマッチは除く)は残念な結果です。最終戦に関してはSOトビー・フラッドの怪我さえなければ、もう少しバリエーション豊かなアタックが見られたはずです(結果論ですが)。スチュアート・ランカスター体制になってからSOオーウェン・ファレルがファーストチョイスのスタンドオフに起用されています。オーウェン・ファレルはランナーとしても優れたスキルを持っているので、もう少し自ら仕掛ける場面を見せて欲しかったです。
ところでここの所、8試合連続で代表戦のトライが無いWTBクリス・アシュトン。彼のトライの大半はラインブレイクした味方選手へのサポートプレーから生まれています。キック主体の現行の組立ではなかなか活躍のチャンスに恵まれないのが実情です。
〔注目される今後のスプリングボクスの10番〕
シリーズ2勝1分という結果はまずまずでも、このゲームを勝ちきれなかったことに南アフリカの国民は納得していないはずです。この試合を勝ちきれなかった最大の要因はSOモルネ・ステインのキック精度。過去にブルズとスプリングボクスを支えた彼のゴールデンブーツにも陰りが見えてきました。この試合ではPG2本、コンバージョン1本を失敗していたのですが、試合終盤にドロップゴールを失敗し、場内からブーイングを浴びていました。
今後のスプリングボクスの10番候補ですが、怪我さえなければ本シリーズで1試合は10番を背負ったであろうSOヨハン・フーセン(チーターズ)、最終戦では思わぬ接戦に出番を与えられなかったSOエルトン・ヤンチース(ライオンズ)、フルバックとして着々と代表での経験を積んでいるパトリック・ランビー(シャークス)とタレントは豊富です。
~大駒が抜け心配されたスプリングボクスのセカンドローですが、若手のLOエベン・エツベスが普段通りの堂々としたプレーで期待に応えました(画像元:zimbio.com)~

≪オーストラリア20-19ウェールズ (第3戦)≫
*開催日時:2012年6月23日(土)
*会場:シドニーフットボールスタジアム(@シドニー)
*動画⇒★★★★★
〔得点内訳(オーストラリア)〕
*トライ:CTBロブ・ホーン
*ペナルティゴール:SOベーリック・バーンズ×5
〔得点内訳(ウェールズ)〕
*トライ:NO・8ライアン・ジョーンズ
*コンバージョン:FBリー・ハーフペニー
*ペナルティゴール:FBリー・ハーフペニー×4
〔前半〕
ワラビーズの2連勝で迎えたシリーズ最終戦。前半はお互いにゴール前まで攻め込む場面を作るものの、トライには至らず。そんな中ワラビーズは4本、ウェールズは3本のPGを成功させ、3点を刻み合いました(12-9)。内容としてはワラビーズは持ち前のターンオーバー能力を活かしノットリリースを誘発、ウェールズはスクラムが優勢で相手のコラプシングを誘発していました。
トライこそなかったもののワラビーズのハイテンポなアタックに対し、ウェールズがタイトなディフェンスで対応し、テストマッチらしい非常に見応えのある攻防でした。ところで、前半終了間際にウェールズの主将FLサム・ウォーバートンが負傷退場しました。ワールドカップ以降、怪我が多いのが気になります。
〔後半〕
後半に入って15分間はこう着状態が続きました。その間もウェールズはスクラムで相手の反則を誘い(コラプシング)PGの機会を得ますが、ここは失敗(ポスト直撃)。
後半55分過ぎから試合が動きはじめます。ウェールズが自陣深くで奪ったボールをWTBジョージ・ノース⇒WTBアレックス・カスバートと繋ぎ大きくゲイン。さらにSOリース・プリーストランドが敵陣深くに蹴りこんだボールにチェイスをかけ、ワラビーズのキャリーバックを誘い、5mスクラムのチャンスを得ます。
この勝負どころのスクラムでワラビーズは2度続けてペナルティ。3度目は何とか持ちこたえたものの、ウェールズのピック&ドライブを受け、3フェーズ目でNO・8ライアン・ジョーンズにトライを許しました(12-16)。
しかし、ワラビーズは直後のキックオフを獲得し、一気に敵陣深くに攻め込みます。フォワードがシンプルにサイドアタックを繰り返した後、ボールを一気に展開。ボールは9⇒7⇒10⇒15と渡り、最後はCTBロブ・ホーンがインゴールノックオンぎりぎりのグランディングでしたがトライ(17-16)。
~微妙な判定(TMO)に持ち込まれましたが、CTBロブ・ホーンは肘でボールをはさみ込み執念のグランディング。(画像元:zimbio.com)~

その後、ワラビーズは71分に痛恨のスクラムコラプシングで3点を失い、再々逆転を許します(17-19)。
その後、敵陣でマイボールラインアウトのチャンスを得たウェールズでしたが、ワラビーズがモールにコンテストして来ず、痛恨のオブストラクション。敵陣で時間を使い、逃げ切りを図りたかったウェールズにとっては勝敗を分けるプレーとなりました。
直後の74分。勝負の流れを失ったウェールズは自陣で不用意な反則(オフサイド)。ワラビーズのSOベーリック・バーンズが落ち着いてPGを決め、これが決勝点となりました(20-19)。
勝利したもののワラビーズにとってはスクラム、ラインアウト共に劣勢で苦しい試合となりました。しかし、春先に調子を落としていたSOベーリック・バーンズがシリーズを通して終始好調で、少ない好機を活かしていました。困ったときにはHB団の閃きで状況を打開できるのがワラビーズの強みです。
一方のウェールズは第2戦に続き、土壇場で勝利を逃してしまいました。しかし、同じ時期に南半球に遠征したアイルランド(NZ遠征)やイングランド(南ア遠征)と比べて、ウェールズが最も互角の戦いを見せました。
次は、ウェールズからも多くの選手が選ばれるであろうブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの豪州遠征(2013年)に期待します!
~シリーズを通じて安定したプレーでワラビーズを引っ張ったSOベーリック・バーンズ(画像元:zimbio.com)~
