以下のチャートはナスダック総合指数の週足5年チャートです。ナスダックのチャートを見ながら、これは要注意だな(ただごとじゃない)と感じたのが10月27日の週です。24日水曜に暴落し、25日は反騰したものの再び26日に反落し、10月第4週を終えています。週末27日のメールマガジンで私は次のように書きました。

 

☆先週の相場展望では長期上昇トレンドの押し目形成の見方を取っていましたが今週号から上昇トレンドが継続できるか慎重に見極める段階に入ってきたと考えています。

 

☆テクニカルとファンダメンタルの両面で過去データ的に底水準に入ってきたので、そろそろ反騰する見方をしてきましたが、中国市場に続きNY株式市場そのものがおかしくなってきたからです。早くは中国株式市場が下降トレンドに入り、次いで東京株式市場が先々週から急激に突っ込んできました。前週24000円台に乗せ今年最高値を更新していたので強気な見方を引き継いでいたことは言うまでもありませんが、バックに強力なNY株式市場があったことも原因です。

 

☆しかしそのNY株式市場が崩れ始めています。これが今後の相場を占ううえでの最大のカギです。NYが崩れるならさらに世界的な株価調整に向かう可能性が高まります。

 

NY市場の今後のトレンドを見るうえでカギとなるのがナスダック総合指数です。以下に掲載するのは2016年以降、強力な上昇トレンドを築いてきたナスダック総合指数の週足5年チャートです。最近のNY主要3指数の中では先行して下げています。強力な上げ相場を演じてきたので再び押し目反騰しそうですがなかなか回復しません。そして今年の長期下値支持線に接近してきました。

 

ナスダック総合指数週足5年(割愛)

 

 

☆カギを握るのはこの支持線、6800ドルです。これを割って下落進行すると調整は長引くでしょう。赤の○で囲んでいる20157月から20167月の約1年に及ぶ調整と同じようなことになる可能性が出てきます。この期間、日経平均も長い調整期間に入っており、20156月高値20952円から20166月安値14864円まで3割日経平均は下げましたが期間は同じで明らかにNY市場の調整が影響しています。

 

日経平均週足5年(割愛) 

 

 

☆米中貿易戦争のつばぜり合いが続いていますがこれまで両国の株式市場は中国のひとり負けでした。それに違和感も多少は感じていましたが、ようやく連鎖してきています。中国に高率の関税を制裁でかける方向ですが、アップル社が中国で生産し米国に逆輸入しているように米中経済は密接にからみあっています。中国への税率を上げることは米国消費者へ直接跳ね返ってきますので、ゆくゆくは米国景気に影響するという見方が多いのですが、そういう思惑が株式市場への下押し圧力に今後なっていく可能性も否定できません。加えてFRBの利上げ方針をトランプ大統領は嫌っていますが、長期金利の上昇は投資家をリスク回避に向かわせます。

 

<コメント>

注意のナスダック6800ドル割れにはまだ至っていません。ですが冒頭掲載したチャートで黄色の線ですが長期支持線をいまだ回復できていません。

 

APECでのつばぜりあい、そしてG20にあわせた米中首脳会談。このへんを考えると、まだまだ空売り玉は手放せません。

下にあげるのは、日経平均とNYダウの相関チャートです。〇で囲んだ部分を見ていただくとわかりますが、NYダウの下落以上に日経平均が下げています。

NY市場が咳をすれば東京市場は風邪をひくと昔から言われています。

これからの株式投資は空売りが必要ですと呼び掛けてきた所以です。