吹き枝会「芽吹きコンサート」 | 神主の独り言 Part2

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雅楽と白山をこよなく愛す神主のブログです。

7月9日 世間では8日の安倍元総理の狙撃事件で騒然とし、明日行われる参議院議員選挙の街宣も自粛ムードの大変な日でしたが、私ども雅楽奏者と邦楽の篠笛や能管、尺八奏者で昨年結成された「吹き枝会(ふきえかい)」のコンサートが、金沢市中心の香林坊にある北國新聞赤羽ホールで粛々と開催されました。

 

 

「吹き枝会」は、日本の伝統楽器の中でも「竹」で出来た和楽器のコラボレーションの会として、篠笛の八木繁さん藤舎眞衣さんの声掛けで結成されました。雅楽の方には八木さんから私の方に打診があり、神職で県下屈指の篳篥奏者の大畠暁人さんと、元巫女で新進気鋭の笙奏者の布谷彩菜さんをお願いして参画。

他に篠笛能管の八木繁さん、藤舎眞衣さんとそのお弟子さんも加わり、尺八の川端夕山さんと高成田念山さんの昨年からのメンバーに山田晃山さんと中村依山さんが加わって、本年の公演は行われました。

 

 

 

公演は全ての楽器のコラボレーションのオリジナル曲(作曲は藤舎眞衣さん)と各楽器の演奏で行われました。

 

 

雅楽部門ですが、昨年は無難に「平調音取」「越天楽」「陪臚」を演奏しました。

二年目の本年は黄鐘調に挑戦!「黄鐘調音取」「越天楽(黄鐘調)」「拾翆楽」を演奏しました。

「黄鐘調」は雅楽では「夏」の調子とされますが、「拾翆楽」はその中でも「水調」と言われる、呂(りょ)の曲になります。

雅楽は6つの調子(壱越調・平調・双調・黄鐘調・盤渉調・太食調)が伝わり、それぞれが律と呂に便宜的に分類され、律旋…いわば陽の調子…平調・黄鐘調・盤渉調、呂旋…いわば陰の調子…壱越調・双調・太食調に分けられております。「拾翆楽」は黄鐘調の中でも呂旋に属する「水調(すいちょう)」に分類された曲です。

「拾翆楽」は、雅楽で龍笛をされている方にはわかるかと思いますが、奏法の中で最も難しく永遠の課題ともいわれる「下の由(げのゆる)」がそこかしこにある曲で、笛吹にとってはとても嫌な曲です・・・(笑)・・・さらに、今回は一管通りという各管1名の奏者での演奏ですので、場数を踏んでいるとは言えませんが、多くの公演に出てきた私でも、否応がなしに緊張いたします。ましてや、演奏前の舞台替えの際に、雅楽解説という大役を頂きましたので・・・・・・・。

 

 

「吹き枝会」のYoutubeに演奏がアップされましたのでご笑覧下さい。

まだ、全ての曲目がアップされておりませんが、担当の大畠氏が仕事の合間を縫って編集しておりますので、気長にお待ち願います。

 

ではどうぞ(^O^)/