日曜美術館で『音を視る 時を聴く 坂本龍一』東京都現代美術館
を放送

アーティストや哲学者が登場して、坂本龍一を語るのですが、誰一人として武満徹の名前を出さないのはなぜでしょう…
もちろん、美術展を紹介する番組なので坂本龍一が影響を受けた武満徹に言及しないのはいいんですが
坂本龍一の生い立ち、業績を考えると武満徹に触れないわけにいかないはずです
坂本龍一自身が語る武満徹をみてみましょう
『武満さん(武満徹氏)を尊敬していたわけですけど、これ、結構屈折した尊敬なんです。この写真は琵琶を弾いているんですけど、「ノヴェンバー・ステップス」と言う武満さんの曲があって、初めて日本の楽器を現代音楽に取り入れた曲だったんですよ。』
坂本龍一のラストエンペラーや沖縄民謡のアプローチに「ノヴェンバー・ステップス」の影響がみられる
『長くファンであったピエール・ブーレーズですとか、メシアンとか、ヴェーベルンとか、ケージとかをまとめて聴いたんだけれども、やっぱり武満さんの音楽の強さっていうものを改めて認識させられたんです。100年後にブーレーズの音楽は誰も聴いていないかもしれないけれども、武満徹の音楽は100年後も聴かれているだろうと思いました。』
『セリ(石川セリ・井上陽水の妻)さんが歌っている武満さんのポップ・ソングのアルバムがあるでしょ。あのアルバムでぼくにもアレンジをしてほしいという依頼だったんです。ぼくが忙しかったこともあり、武満さんとコラボレーションするならポップ・ソングじゃないだろうという気持ちもあり、けっきょくはポピュラー・ミュージックの人に見られているのか、というがっかりした気持ちもあり、そして、実験的なことをシルヴィアンも入れてやりたいという強い気持ちもあった。だからうだうだ言っていて、結局やんなかったのね。』
武満徹に認められたかったという素直な言葉であり、自分はポップ・ミュージシャンではなく現代音楽の作家だという自負がみえる
坂本龍一の音楽も100年後も聴かれているでしょう、それは映画音楽だろうが、武満徹が語るように、音楽に貴賤の差はない、よい音楽(GoodMusic)があるだけだ
坂本龍一の音楽を通じて武満徹を聴いてほしいと願わずにはいられない
小澤征爾指揮 武満徹 ノベンバーステップス(1/2)
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