雨にちなみ


七月に入り、梅雨空もそろそろ終わりに近いのかもしれない。
庭の紫陽花も、少々お疲れの様相呈してきた。
とは云え、枯れても花の姿魅せつづける紫陽花の真骨頂はこれからはじまる。

六月にハナショウブを観に訪ねた出雲の花の郷の一角に、広い温室がある。
そこに、珍しい紫陽花がズラリ色香を競っていて目を楽しませた。
普段は、人知れずひっそりと咲き、
それでいて、たくましい野の花を追っているのだが、
この日は、珍しく目の保養、舞台に立つ美麗な女優さんを観る心地である。
並べた写真は、そのときのもの。

さて、紫陽花と云えば浮かぶのはやはり雨。
話しは少々飛ぶが、その雨を題材にした小説に、
「君の名は」で知られる新海誠の『小説 言の葉の庭』がある。
2013年に公開されたアニメーション映画『言の葉の庭』で描かれた、
雨の日に出会った男女による、ひと夏の物語を別途小説化したものである。

その中に、和歌をモチーフにしたとてもユニークな箇所がある。
ふたりが初めて出会った場面で、雪野は孝雄に、
「前に会ったことがあるかもしれない」と、和歌を口にして立ち去る。

雷神の 少し響みて さし曇り 雨もふらぬか 君を留めむ
(なるかみの しましとよみて さしぐもり あめもふらぬか きみをとどめん)
【現代語訳】
雷が少し響いて、空が曇る。雨も降ってくれないだろうか。
そうすればあなたはここに留まってくれるかもしれないのに。

それに対して孝雄は後にこう返歌する。

雷神の 少し響みて ふらずとも 吾は留らむ 妹し留めば
(なるかみの しましとよみて ふらずとも われはとまらん いもしとどめば)
【現代語訳】
雨なんか降らなくても、私はここに留まります。あなたがそう望むのなら。

この和歌の出典は、『万葉集』巻十一、作者不詳であるが、
いにしえの万葉歌人、なんと粋な人たちであろう。
言葉の持つ奥深さを巧みに操るすべ、どこから学んだのであろう。
せめて足許にまででも近づきたいものである。
そんな雨の日の感慨である。


☆おことわり☆

諸事堆積しておりまして、
しばらくのあいだ、
「フォトエッセイ」不定期更新とさせていただきます。
変わり映えしないブログに、
日々変わらず、温かな眼差しを注いでいただき、
まことにありがとうございました。
継続再開を期して、写真は撮り続けておりますので、
その日まで、お待ちいただきますよう、
よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流星/吉田拓郎

 

 

古くからの友人、高木早苗さんが、松江市観光大使を務める京太郎さんと、

ご当地松江を舞台にしたデュエットソング、

『さよならだんだんまた明日』をリリースされました。
とても素敵な歌ですので、是非聴いてあげて下さい。

不肖私めの撮影した写真も少しだけ入れてありますので、よろしくです。

 

「だんだん」は、出雲地方独特の方言で、ありがとうの意です。

 

 

 

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