インフルエンザの重症化の機序 | 薬剤師本気ガールズトークBridge ~あらふぉーcozy with Pharmacists~

薬剤師本気ガールズトークBridge ~あらふぉーcozy with Pharmacists~

薬剤師仲間のワイワイトーク。私達も色々あるんです。仕事のこと、お家のこと、自分の身体のこと・・・色々あるけどみんなで話せば元気になるよね。一人の薬剤師ではなくて薬剤師仲間みんなでするから出来ることがきっとある!

前回のMikanさんのブログのようにまさしくインフルエンザの季節になってきました


数か月前に市の医師会で木戸博先生の講演を聴く機会がありなかなか面白い


内容だったのでここに書かせていただきます


ただ少し前のことでうろ覚えな点はご了承ください



お題目がインフルエンザ感染症の重症化機序に関する最新の知見というもので


重症化する人例えばインフルエンザ脳症になる人はその人の代謝障害にあるということ


体質(遺伝子)ということ!!


血管内皮細胞の機能不全が重要な因子なんだと。


重症化にならないようにするにはインフルエンザーサイトカインープロテアーゼの


サイクルを断ち切る




まずインフルエンザウイルスに感染するとサイトカインが増え抗体を作りウイルスを


排除しようとする。


サイトカインが増えるとプロテアーゼ(トリプシン)が増える。脳や肺、心臓に増量


トリプシンはインフルエンザウイルスのヘマグルテニンを切断し細胞膜融合ドメインを露出


→他の細胞にくっつき→細胞外でウイルスを増殖していく


→血管透過性が上がり→多臓器不全へ


人はエネルギー源ATPを46キロ/日作っている(すごい!!)


作り置きができない(出来ては使いの繰り返し…)


インフルエンザ脳症や肺炎、心筋梗塞は脳や肺、心臓などの血管内皮細胞で


ATPが作りにくくなった状態=エネルギー不足


頭の血管内皮細胞のATP産生は70%脂肪に依存


長鎖脂肪酸代謝酵素(CPT2=脂肪をエネルギーに変える酵素)がもともと熱に


弱い遺伝子を持つ人は高熱によりエネルギー危機になり、血管内皮障害を起こし


→膜透過性亢進により→浮腫


ATP不足50%になると細胞は死ぬ


脂肪代謝に弱点のある人は脳浮腫を起こしやすい


しかも小児は糖代謝がしっかりしてないのでエネルギーを脂肪代謝に依存している割合が多く


脳炎になる可能性は高い



インフルエンザ脳症治療法→飢餓を避ける、糖を切らさない、中鎖脂肪酸を使う


                 なので頻回の食事その中でも糖、ビタミン剤、カルニチンを摂る


熱は下げないほうが(免疫が上がってるから)治りやすいというのはナンセンス


酵素は熱に弱いから高熱持続でCPT2活性低下→ATP低下エネルギー不足


お子さんなど熱は下げてあげましょう。




そしてインフエンザ予防接種のこと


インフルエンザの感染経路は①気管②腸管粘膜


繊毛運動は粘液IgAで守られている


予防接種の抗体は血液中にしか行かない→鼻粘膜などにはいかないので予防効果なし


予防接種した人でも感染するさ!!!!!


ただ肺炎などになったら効果はあるのでひどくならないようにするには


必要でしょう。



また抗インフルエンザ薬はサイクルを止めてウイルスを増やさないようにする薬


だから獲得免疫が出来ずらい。


タミフルなどで治療した人は獲得免疫ができずらいから毎年インフエンザにかかりやすい。



…など目からうろこのような面白講演を聞くことができました


ただ私が勉強不足であるため違う言い回しになっている点もあると思いますが


ごめんなちゃ~い



Green