Aujourd'hui -オジュールデュイ- (本日のお菓子)

:Charlotte aux poires

    -シャルロット·オ·ポワール-




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※当ブログは「皆さまが “家庭で” お菓子を楽しむため」に公開しております




(本日はお渡し分は有りません)


おはようございます!

久々のシャルロット·オ·ポワール
指定通りのサイズ&質感で


パータビスキュイはツヤッとパリサクッと、つぶつぶペルルに中ふんわり


バヴァロワはふわとろりんと濃厚でした


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前回載せたもの&シャルロット·オ·ポワールについての詳細な解説はコチラ↓

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久々に作りました

パータ·ビスキュイは非常にシンプルな生地です
他の複雑な菓子を作り慣れた手で久々に作ろうとするとついやりすぎそうになってしまいます

シンプルな生地だからこそ、普段の菓子作りでいかに力が入りすぎているのかを気付かせてくれる大切な存在です

シンプルにさっくりと混ぜ、僅かな力でスゥッと絞る

色々なことを考えて技法だなんだと小難しく作ると失敗しやすく、逆に何も考えずにサクッとパパッと手早く混ぜてパパッと絞ってパパッと焼いちゃうくらいの方が、失敗しにくいと個人的には思っています

考えて考えて生地を触りすぎてしまうと、生地が死にます

丁寧に丁寧に絞ろうとしすぎてしまうと、生地が死んでいきます

メレンゲさえ立ててしまえば、あとはササッと手早く済ませてオーブンへ…


…の前に、ペルラージュ粉砂糖の振りかけ具合も大切です


表面がツヤッとサラリとしていて、プツプツとしたペルルがみられる状態がベストだと思っています

biscuit à la cuillére (ビスキュイ·ア·ラ·キュイエール)
の失敗例を挙げると、例えば…


粉砂糖のかけ方というよりも
✽そもそもメレンゲの状態が悪い
✽焼成温度を間違えている
✽絞り方が悪い
…の可能性がありますが、この場合はメレンゲの状態 (絞るときの生地の状態) が悪いパターンが多いと思います

ツヤパリッとしているのにヒビが入る場合は、メレンゲの状態やオーブンの設定温度、予熱温度、絞るときの力加減や手の温度なども確認してみて下さい


次は、


✽生地の状態が悪い
✽粉砂糖が少なすぎる
…の両方かと思われます

生地の状態が悪く、焼き上がりにしぼんでシワシワになっています
また、粉砂糖が少ないため表面に膜が張らず、マットな質感です


次は、


✽メレンゲの状態が悪い
✽粉砂糖を一気にかけすぎ
…の可能性が高いと思います

メレンゲをしっかりと立てて混ぜすぎずダレずに仕上げたのだと思いますが、メレンゲを立てすぎてボソボソになり、その後の混ぜ方が足りず、不均一な生地だった可能性が考えられます

また、粉砂糖を一気に多量にかけると溶けることなく積り、不均一な焼き上がりや割れなどの原因に繋がります





正しい作り方の参考としては、

✽メレンゲはしっかりと立てて、けれど立てすぎず
ツヤのあるピンと角が立つフレンチメレンゲ

✽ブランシールした卵黄を混ぜるときは完全に混ざりきらず、マーブルに残るくらいで全体に散らすように小麦粉を加える
└ここで完全に混ぜてしまうと最終的に混ぜすぎてしまう恐れがあります

✽小麦粉は粉が見えなくなったら混ぜ終わり
└ゴムベラですくってもすぐには落ちず、ボトッとかたまりで落ちるくらいで混ぜ終わりです (トロトロと流れるのは混ぜすぎ)

✽粉砂糖は2回に分けて振りかける
└まず1度目の粉砂糖が溶けてから2回目をふりかけます
ここ!
この「2回」に惑わされて勘違いしている日本人がとても多いのかもしれないな、と私は個人的に思いました

日本人のビスキュイ·ア·ラ·キュイエールは、粉砂糖が少なすぎます

ロールケーキにしたいのかな?というほど、ツヤが無くマットな仕上がりが多いです

“2回” にこだわるのが正解
ではなく、
表面の砂糖が溶けて膜を張り、ツヤッとパリッとした食感にする、そしてその膜のお陰で生地の水分が飛びすぎず、中はふんわりとしている
が、正解です!

膜が張らないと水分が抜け、乾燥した焼き上がりになります
(低温で長時間焼いた場合も同じです、高温&短時間が基準です)

つまり、1回にかける砂糖の量や生地や室内の湿土次第では2回だけではなく、3回4回とかけても大丈夫ということです
(かけすぎろという意味ではなく、少なすぎる人へのアドバイスです)

私は回数など気にしていません
“ちょうど良い状態” までかけています
ギリ消えるかな、くらいです
(海外だとガッツリかけて溶け残していますが、あれはあれで時間が経つと水分を吸着してベタつくことがあります)


また、溶けた砂糖が膜を張り、加熱されることでフツ、フツ、と出来上がるのがペルルです


ペルラージュが正しく出来ているかどうか」も、ビスキュイアラキュイエールの食感を損なわないための重要なポイントです


※今回の写真↑のビスキュイは「シャルロットの側面用に薄く幅広く」という指定があったため、とても薄いです!
ビスキュイ·ア·ラ·キュイエールとして焼くのであれば、潰さずもっとふっくらと焼き上げます




バヴァロワは好みによりますが、私はとろりんととろけるけれど、しっかりと自立するくらいの固さが好きです

気にするのはクレーム·アングレーズの加熱温度と冷却の素早さくらいだと思います

低すぎてもダメ、高すぎてもダメ、
「卵の性質」を理解することが大切です


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沢山書きましたが、ビスキュイ·ア·ラ·キュイエールで一番多いのは「混ぜすぎ」と「粉砂糖のかけ具合」かなと思います

ご相談を下さっている方々の写真を見せて頂くと、大半の方が混ぜすぎです

あとは、せっかく綺麗に生地が出来ているのに、絞り袋に入れるときに生地を潰してしまっている人も多いように思います

たかが「袋に入れるだけ」されど「袋にいれるだけ」

製菓は “無駄な動作” など1つもなく、袋に入れる作業のような小さな1つにすらきちんと気を配ってこそ成功します

どんなときも、「生地を良い状態で焼き上げること」を常に意識して保つと良いです

「保てない!どうしても無理!」という場合は、自分のクセをよく知り、逆算するのも1つの手です

「ここで力をかけすぎてしまう…」
なら、その1つ前の工程で混ぜすぎないように気をつければ良いです


製菓は「計算」が大切ですが、意外と「逆算」がとても大切なのです

「この状態にしたい」なら「どうすればいいか?を考える」のが、“製菓” です


製菓だけに限らず人間関係や日常生活、仕事の面でも逆算って大切ですよね

「この人はこういう性格だから、こういう言い回しをすると怒るだろう、だからこの言い方に変えておこう」

「何時何分に目的地に着くためには、何時何分の電車に乗らないといけない、そのためには何時何分に家を出る必要がある」

「この取引先とこういう結果に持ち込みたい、そのためにこっちで引き付けて、こう話をもっていこう」

…など、皆さま自然と普段からしていることかと思います


普段から逆算が得意な方はもしかしたらお菓子作りがとても上手かもしれない

普段から逆算は得意なのにお菓子作りが上手くいかない方は生地の見方を変えてみて、もっとシンプルにもっと冷静に見てみると “同じ” だということに気付けて、ふと力が抜けて上達するかもしれない


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最後に。

色々書きましたが、
お菓子に正解は無い
というのがriberaの個人的な考え方です

上記はあくまでも、基礎的なもしくは教科書的な作り方としての参考を書かせて頂きました

人それぞれ好みがあるので、結局お菓子というものは
自分が求めるところにもっていく、作り上げる
というのが正解だと思います

そのために基礎が必ず必要ということです

卵の性質を知らなければクレームアングレーズクレームパティシエールは炊けない、
シロップの正しい温度を知らなければイタリアンメレンゲは作れない

正しく知る、習得する
それが出来てこそ、アレンジが可能になり「自分の菓子」が作れると思っています


皆さまもぜひ、
沢山の誰かの「これが正解」というものたちを全て完璧に作ってみて、沢山のことを学び、知り、その上で「自分の菓子」を完成させてみて下さい


力をつけて、
自分らしく!
お菓子を楽しんで下さい!


Enjoy  yourself !!飛び出すハート



今日時間があればタルトを1つ仕上げますが、時間が無ければ明日は昨日娘と一緒に作った焼きメレンゲをご紹介しようと思っています


コツやこだわりも載せますので、ぜひお楽しみに!



本日も最後までお読み下さりありがとうございます🙇❤️