大学を卒業して研修後初めての会社の飲み会だった。
もちろん大学時代のように羽目を外して飲んではいない。
そんな飲み方が出来ないくらいに研修で木っ端みじんにやられていた。
この飲み会も勉強のつもり参加していた。
八尋は一次会で帰りたいのを我慢して
ここ歌舞伎町の奥までやってきていた。
まだ5月だというのに肌寒い。
二次会は部長が良いところがあるからと、
部下を全員連れて進んでいた。
「なぁ、八尋。この辺ってラブホ街じゃないの？」
最近同部署へ配属となった同期が言った。
「俺に聞くなよ…部長の考えていることなんてわかんねぇよ。」
、とぶータレ顔の八尋。
そんなやり取りが後ろで交わされているとも知らず部長は進んでいく。
この後何処に連れて行かれるのかこのときの八尋に知るよしもなかった…
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