この出入り口の先は廊下、ではなく『戦闘の間』というギャラリーだ。

 

『戦闘の間』

 ギャラリーは奥行き60m、幅6m、高さ8mあり、スペインが勝利した戦闘を4人のジェノバ出身の画家に1585年~1590年にかけて描かせたフレスコ画だ。ちなみにフレスコ画とは、まず壁に左官屋のように漆喰を塗り、その漆喰がまだ「フレスコ(英語のfresh・新鮮のイタリア語)」である状態、生乾きの間に水または石灰水で溶いた顔料で描く。そのため一日で塗った分しか制作できない。

 やり直しが効かないため、高度な計画と技術力を必要とする。システナ礼拝堂のミケランジェロの『最後の審判』は暇な?研究者によってどういう順番に描かれたか分かっている。

 逆に、一旦乾くと水に浸けても滲まないことで保存に適した方法だった。失敗した場合は漆喰をかき落とし、やり直すほかはない。

 

『イゲルエラの戦い』

 全長は55mある。カスティーリャ王国vs.ナスル朝イスラム王国の戦いだ。

 

 

 正確に描けるように実際の軍服を着せ騎馬や歩兵の並んでいる様子を再現して描かせたそうだ。

 

 鉄の甲冑を身に纏った兵士とターバンを巻いた兵士が入り乱れて交戦しているのがわかる。

 

 イゲルエラの街だろうか。中世の城壁に囲まれている。

 

 

『サン・カンタンの戦い』

 スペイン帝国、ネーデルランド、イングランドvs.フランス王国の戦い。城壁に囲まれたサン・カンタンを攻めている。攻めている側の旗が白地に赤の×印なのでスペイン軍だ。

 

 

『アゾレス諸島、ポンタ・デルガダの海戦』

 スペイン帝国vs.ポルトガル王僭称者、フランス王国。フェリペ2世はポルトガル王となったが、アゾレス諸島が最後まで併合に抵抗していた。

 

 今日はここまで。次回はブルボン朝の王宮を案内します。