五輪書
評価
★★★☆☆
感想
~宮本武蔵と五輪書~
みなさん、『五輪書』と言われて誰が書いたか思い浮かびますか? そう、宮本武蔵ですね。
彼が死ぬ間際、二天一流を伝えるために熊本市近郊の金峰山にある霊巌洞で執筆した書物。地、水、火、風、空の五巻で構成されています。今回読んだのは講談社出版のもので、現代語訳も併せてついているので非常に読みやすかったです。
正直なところ、僕は宮本武蔵について知っていることといえば、井上雄彦さんの『バガボンド』ぐらい。きちんと調べたわけではなく、前知識がない状態でこれを読みました。
宮本武蔵のきちんとした資料はほとんどなく、唯一残された資料が「五輪書」と「兵法三十五箇条」「独行道」なのだそう。しかも、武蔵自筆のものは、「五輪書」の中の「地の書」しか残されていません。残りの物はその弟子たちが書き写したものになります。小説や舞台「宮本武蔵」ではなく、本物の武蔵を感じられるのはこの「五輪書」だけなのかもしれませんね。
~努力家の武蔵の姿がそこにあった~
実際の読んでみての武蔵は天才ではなく、努力して“武”を極めた人だったんだなぁ、としみじみと感じました。
例えば、
「千里の道も一歩ずつなり」「「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」ると書き記していたり、「役にたたぬ事をせざる事」といってみたり。
日々黙々と努力したんだろうな、と匂わせる一面が多々記載されていました。精神的なところは、スポーツにおいて非常に参考になりますよ。
これを読んで以来、その姿勢は常に心に留めておくべきだ、と自分自身に言い聞かせております。興味は持った方はぜひ、手に取ってみてくださいね。
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