今日のニュースで
神戸市小学生連続殺傷事件の家裁決定全文が
月刊「文芸春秋」5月号に掲載されるとの記事がありました。
もともと、少年審判については非公開ですが、神戸連続殺傷事件では、家庭裁判所が決定の要旨を公開していました。
今回は、その全文が公開されるということですが
私は、反対です。
今回なぜこのタイミングで、しかもどうやって決定全文を手に入れたのかもわかりませんが
事件の関心が高いから、非公開への批判が高まっているからというような理由であればさらに反対です。
大人の刑事事件と異なり、少年事件では「社会記録」という記録が作られます。
これは、大人の刑事事件では作られることのない記録です。
家裁調査官などによる調査で、少年の出生の秘密や両親の情報、知能指数といった情報まで、ありとあらゆる秘密性の高いプライベートな情報が掲載されています。
少年事件の「決定」においては、このような秘密性の高い情報も踏まえて出されるわけです。
非公開とされている理由はこの点にもあります。
以前に決定「要旨」のみ公開されたのも、社会記録に基づくような秘密性の高い情報は非公開とされたのではないかと考えられるわけです。
ニュース記事で全文には「成育歴」が載っているという部分がありましたが、これはまさに社会記録に記載されていた情報をもとにしたのではないでしょうか。
ちなみに、少年審判規則7条では、
少年保護事件の記録は家庭裁判所の許可がなければ、閲覧や謄写(コピー)をすることができない
とされています。
本来入手手段はないはずなのです。
ニュース記事では、公表に関わったのがまさにこの事件の決定を出した元裁判官の弁護士ということが記載されていますが、まさかそんなはずはないが・・・・と思っています。