審判批判はダメなのか | 福岡の弁護士 矢口耕太郎のブログ

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白鵬関が審判批判をしたことで
いろいろな非難を浴びていますね。

なぜ審判を批判したことがここまで非難を浴びるのでしょうか。


「白鵬が横綱だから」


ということをあげている方もいますね。

横綱には品格が求められるのだから、
審判批判なんてことをするのはいけない。

確かに横綱には品格が求められるのは分かりますが

・・・

とすると
横綱以外は審判批判しても非難されないのか?
ということになります。


「相撲はスポーツではなく神事だから」


ということをあげている方もいますね。

行司の軍配は神聖なものだから
これを批判するなんてことは許されない。

確かに相撲は純粋なスポーツとは違いますが

・・・

この間サッカーで本田選手が審判批判して罰金になりました。

スポーツでも審判批判を許さないものはたくさんあります。

また、ここだけ宗教を持ち出してくるのも少し変な気がします。

・・・

審判も人間ですから
当然に間違えることがあります。

ただ、相撲においては
力士の審判に対する不服の手段が存在しません。

これは、行司や物言いの仕組みを設けていることで、あえて不服の手段を与えていないと考えることもできます。


それにもかかわらず
力士が審判批判を公然とおこなうと

特に今回は人種差別的なことまで内容にふくまれていたので

審判が不公正ではないか?
という印象が残ってしまいます。

そうすると
相撲の秩序が保てなくなりますね。

これはやはり問題です。

今回の非難は
「相撲の秩序を維持するため」

に行われているのかもしれません。

ただし、審判部は監督責任のある親方に対して注意を行って、既に謝罪もされているようです。

これで秩序は十分に保たれていると思います。

今、白鵬関本人に謝罪を求めるという風潮が高まっています。

自発的にするのは構わないかもしれませんが

要求するのは行き過ぎのような気がします。



ちなみに

弁護士が裁判官(審判)の判決を批判することはもちろん自由です。

控訴、上告という形で審判批判は制度として保証されています。

むしろどんな審判(判決)が出ても、批判的精神でそう簡単には諦めないのが

弁護士

という職業だったりします。