不合格になったときにどう考えるべきか | 福岡の弁護士 矢口耕太郎のブログ

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こんにちは!鴻和法律事務所の弁護士の矢口です!



新司法試験の合格発表が先日ありました。


元アナウンサーの菊間千乃さんが合格したというニュースもありましたね。



合格したときのあの感動は、私も今でも忘れることができません。



不合格だったときのショックも、今でも忘れることができませんが(笑)




僕らが受けていたころの司法試験と今行われている司法試験は制度が大きく変わりました。


ロースクールという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、以前は大学にさえいっていれば誰でも受けることができる試験でしたが、今はロースクールという大学院を卒業しないと受けることができない試験になっているんですね。


25%という合格率を聞いてびっくりした方もいると思いますが、これは昔とは司法試験の仕組みが変わったからなんです。


今は、ロースクールを卒業した後は、3回以内に司法試験に合格しないともう受験できなくなってしまいます。




司法試験に落ちてしまった方は今ショックに打ちひしがれていると思います。



今日は、自分自身の経験も振り返ってみて、惜しくも不合格になってしまった人のために、「不合格になったときにどう考えるべきか」、あくまで私の意見ですが、書いてみたいと思います。





1 自分の才能を絶対に否定しない


  努力をしていなくて落ちた方は論外ですが、この1年間自分では最大限努力したと思っているにもかかわらず落ちてしまった人は、「自分は何をしても合格できないんじゃないか」「自分には才能がないんじゃないか」という疑念が頭をよぎり、不安になっている人も多いと思います。


 が、絶対にそんなことはありません。新司法試験は才能ではなく、知識と技術を問う試験です。落ちてしまった理由は、才能ではなく、試験に合格するための知識と、習得可能な論理的思考力が足りなかったからにほかなりません。


 自分の才能は絶対に否定しないでください。誰にもそんなことを証明することもできません。



2 涙の数だけ強くなれる、涙の数だけやさしくなれる


 試験に落ちたからこそ得たものもあると思います。踏まれた後、立ち上がっていく過程で成長できる部分も多いです。


 


3 落ち込んでいる暇はない


 落ちこんでいる暇はありません。今勉強できているのは、大部分は援助してくれている家族のおかげだと思います。勉強だけをすることができるというのは、それだけでとても幸せなことなんです。


 自分が勉強に専念できる環境にあることに感謝して、自分を応援してくれている周りの人のためにも、今すぐ立ち直ってもう一度前に踏み出していきましょう。


 私は試験に落ちたとき、父から「ざせつの「ざ」しか味わっていないのに、いっちょまえに落ち込むな。あと2回ぐらい大きな挫折を味わったら一人前になれるわ」といわれ、落ち込んでいる自分が恥ずかしくなった思い出があります。




以下は、間違った努力をしないための方法論です。



4 何が足りなかったのかを本気で考える


 自分はどうして落ちてしまったのか、もう一度本気で考えて見ましょう。試験を振り返ってみて、どの問題でわからないと感じましたか。落ちるポイントは、「他の受験生は解けているのに、自分が解けなかった」問題の部分です。そうなると、やはりどこか基本の部分をおろそかにした部分はありませんか?


 私個人の意見を言えば、落ちてしまった人に共通するのは、基本事項の記憶をおろそかにしているのと、問題演習の量が絶対的に不足しているということです。きちんと基本事項を覚えて、問題演習で答案をたくさん書いていましたか?答案をたくさん書かないと、論理的に書く表現力、文章力が全く身につきません。



5 そもそも~が大事


 記憶するのは大事ですが、何が何でも覚えようとするのはダメです。枝葉の部分まで全部覚える必要はありません。基本事項を習得することと同じですが、条文や制度がそもそもどういった趣旨でできたのかを考えることが必要です。そもそも~を考えることで、問題の出題意図が読めることも多く、いろんな所で応用することができます。




最後に、結果が出ないと自分のすべてを否定されるように思う部分もあるかもしれませんが、一番評価されるべきものは、結果に至るまでのプロセスだと思います。


来年までの1年間は、合格するために最大限知恵を絞って、甘えも全部捨てて、努力をしてみてください。


そうすれば、絶対に合格できると私は確信していますし、仮に何らかの事情が起こってダメだったとしても、十分に評価されるべきものだと思います。