もうすぐアナログ放送終了と言われてますね。

デジタル化の推進と衛星放送の本格化は、ローカル地上波の経営を根底から揺さぶりはじめているという。
数年前、地方局が大金を使い送信設備や中継塔を立て替え、デジタル転換したが、コンテンツを運ぶ伝送路が変わっただけで新たな収入の道が開けているわけではない。
そもそもデジタル化は、使い勝手がよいVHFを激増する携帯電話など移動通信の為に空けよう、という国の政策であった。
しかし、既存の民間放送に恩恵を与えなくては、引越しに応じるわけはない。そこでBS放送波を与えることになった。そしてマス排原則を緩和する事でBS放送への出資枠を増やしワンセグ放送も認めたという流れだ。
さらに規制緩和の中で所有できる持株比率が上がり経営難のローカル局は大手の民放と共同で持株会社を作り、上場すれば設備資金が調達出来るという流れも出来上がった。

が、マス排原則の改正が進んだ結果どうなるか、いや、なったのか。

これまでマス排原則の対象は、新聞やテレビ、ラジオの一体経営、支配の防止であったはず。
たしか日本テレビの氏家さんあたりが以前、「マスメディア集中排除原則は、言論が独占的に悪用される可能性があるから、集中排除しなければいけないという。大手の民放5社がお互いの株を買い占めるのはまずいが、縦の自社のネットワーク各社を助ける為に大幅な株を持つのが必要な時代になるのではないか、これならば言論統制とか独占には当たらないのではないか」というような事を言っていた。
その結果どうだろうか?新聞やテレビ、ラジオ、それに加え民法キー局の一部が大手5社にぶら下がってしまった結果、相互批判をしたり、監視しあう事で担保されていたチェック機能は大幅に失われてしまったように思う。
結局のところ合理化や規制緩和の先に残ったのは名ばかりの持株比率規制だけである。

放送による情報格差の解消を旗印に、地方の経済力を無視して全国の他局化を進めた挙句、今度は合併も可という。自らの失政の責任を棚上げにして、規制緩和という一見、大義名分のように聞こえる失策変更をしてしまう総務省の狡猾さは万死に値すると私は思う。


株式会社レックミュージシャン
八木野 太郎