セントラル愛知交響楽団のホルン奏者、八木健史(やぎたけふみ)のブログへようこそ。
自分軸で生きることについて、綴っていきます。
前回の最後にこんなことを書きました。
自分が望む、本当に心からのハッピーな未来とは?
物質で計れない、本当の豊かさとは?
両方とも書こうかな、と考えていましたが、先に本当の豊かさについて書きたいと思います。
みなさんは、豊かさについて、心を巡らせたことがありますか?
僕は最近まで、ありませんでした
「いま、十分に豊かな生活をしてるよね。」
そう思ってました。
ただ、若い人たちにホルンのレッスンをしていて、憧れや、恋焦がれる気持ちが少ないと感じていました。
何故なんだろう?
僕が夢を持ったきっかけである、憧れ。あれは何だったんだろう?
自分もあんな演奏家になりたい。こんな音を奏でたいと思う強烈な欲求は、どこからきたんだろう?
ふと気になったんです。
いつも心に引っかかっていただけのことが、明らかな疑問になった瞬間がありました。
何故?
どうして???
考えても考えても、分かりませんでした。
そんな時、読んでいた本に一つの答えがありました。
そこには、こんな著者さんのエピソードが書かれていました。まとめると、こんな感じです。
中学生の時、どうしても読みたい本がありました。
当時はインターネットも無い時代で、しかも絶版になっている本でしたが、アメリカの会社に連絡すれば買えることがわかりました。
辞書と首っぴきで依頼の文を書き、送金手段もないので、小切手を自分で調べて作りました。
そうして届いた本は、宝物で、隅から隅まで大事に読みました。
こんな豊かな経験は、今ではできないかもしれません。
ああ、そうなんだ。
宝物を手に入れるのが、かえって難しい時代になってしまったんだな。
そう思いました。
皆さんは、宝物ってありますか?
僕は、まさにホルンが宝物でした。
大好きになり、一生の仕事にしたいと思ったホルン。
音にハマり、自分もこんな音が出したい!と強烈に思ったホルン。
でも、演奏家になりたいと言った僕に、父は反対しました。
食っていけるものじゃないぞ、と。
その忠告はある意味、間違っていなかったです
確かに、演奏家で身を立てることは大変でした。
でも、それでも演奏家になりたい、と父を説得し、買ってもらったホルンは本当に輝いて見えました。
まさに、何にも代え難い宝物でしたね。
学校の避難訓練の時に、自分のホルンを持って校庭に逃げたことは、今でも特別な思い出です
何でもすぐ調べられて、何でも動画で見られる、聞ける時代。
無料でいろんなことが出来る時代。
豊かさとは、便利の反対の場所にあったんですね。
2023年の今、本当の豊かさに触れるには、あえて不自由を作り出す必要があるように思います。
そこで初めて、お金や成功、みたいな誰でもわかる価値とか、だれかに押し付けられた価値観ではないものを探せるんじゃないでしょうか。
心の底から宝物だと思える物、事、時間。
本当の豊かさに触れられる経験をしたいものですね。
次回はこの続きとして、本当に心からのハッピーな未来とは?について書きたいと思います