平成最後のイベント・スーパーコミックシティ28 | 幕末ヤ撃団

幕末ヤ撃団

勝者に都合の良い歴史を作ることは許さないが、敗者に都合良い歴史を作ることも許しません!。
勝者だろうが敗者だろうが”歴史を作ったら、単なる捏造”。
それを正していくのが歴史学の使命ですから。

 昨日の話になりますが、スーパーコミックシティ28にサークル参加して参りました。

 会場は、東京ビックサイト青海展示場でした。このイベントは、いつもだと東京ビックサイト全館使用で2日間行われる大型イベントで、コミケに次ぐ規模を誇ります。

 とはいうものの、来年の東京オリンピックに備えてビックサイト東館が改修に入って使用不能。現在は規模の小さい西館しか使用できなくなりました。これを受けて、特設会場として一駅違う場所「青海」に、新しい会場が新設されたというわけです。

 とはいえ、東館よりも小さいわけで……本来、2日間で行われていたイベントを、3日間開催にして参加サークル数を維持しようという涙ぐましい努力が行われたイベントでした。 

 新設された「青海展示場」の内部です。まー、女の子イベントということでBLジャンル中心かなと。そして、歴史系はもともと「歴女」専用ジャンルという位置づけですんで、この日になったわけですね。

 で、それの何が問題だというと……”男なんて100人……いや300人に一人でしょ”という状態になるわけよ。

 世の男性諸君!「ハーレムじゃ!」とか言わんように!。男が圧倒的に少ない状況下では、男は虐げられる運命なのじゃよ。

 例えば、男と違って、女性はトイレで用足しするのが大変だ。男はズボン降ろして発射するだけだからな。簡単で短時間で済むんだが、女性はそうはいかない。つまり、即売会特有の最長の列はトイレ。という現象になる。

 ところが、この青海会場はトイレが少ない。いや、マジで少ない!!。

だから、館内の男子トイレの多くに、片っ端から「女性専用」と書かれた札が下がることに……。

 おい!トイレねぇぞ!?

 大ピンチである。大は我慢できるが、小は無理だ。スタッフを捕まえて男子トイレの場所を聞くと、「外に出たところにある」という。行ってみると確かにあるのだが……。

”男女兼用”

 おおおおおおおぉぉぉぉっ!マジかよ……。

 もちろん、そのトイレにも女性の長蛇列が……。

 広い会場内をトイレを探して彷徨し、ついに一箇所だけ「男子専用」として残された男子トイレを発見する。俺は心ので……

フロンティアだ!

と呟いたよ。マジで。

 

 まーねー。過去のコミケの例では、トイレで気持ちよく用足ししてたら、女性スタッフがずかずかと乗り込んできて、まだ用足し中だというのに……

「今からココは女子トイレになりました!」

と、俺の背中で突如宣言。まだ用足し中で、ズボンもあげていないというのに、スタッフは「はい。一列に並んで~」と、大量の女性達をトイレ内に誘導し、用足し中の俺たちのすぐ後ろに女性の列を作り始めた。

 「用足しは、急には止まれない」というか、止まらん。どんなに”きゃあ”とか後ろで言われても、入って来たのは君たちのほうだかんな。としか言えない。という経験もある。

 ということで、青海会場のトイレ事情はよくない。とだけは言えよう。

 

 トイレの話はやめよう。

 

 で、今回の目玉はこれでした。

 新刊は、研究家あさくらゆう先生監修の『坂本龍馬研究への提言 4』でした。この他、『坂本龍馬研究への提言 3』と、我がサークルから発行している同人誌『豪農の武士道 近藤勇』と『素行不良の武士道 芹澤鴨』をメインに配置し、売れ残っていた『武士道の明治維新』と『戊辰戦争の思想史 小田原藩編』、『横倉喜三次史料集』を持ち込んで頒布しました。

 

 まぁ、私の出してる本は、ほとんどが”武士道”について論じたものですが、やはり圧巻なのはあさくら先生の本でございましょう。

 内容を紹介しますと……

 

『坂本龍馬研究への提言 4』

○平成二十二年発見の相良屋宛龍馬書状は偽文書(松岡司)

○蒔田広孝と見廻組概説(高橋美智子)

○檜垣直枝 逸話と史跡を訪ねて(河内貞芳)

○学者とレイシストと通説の脅威(あさくらゆう)

○『千葉の名灸』第二十一回~三十一回(史料紹介)

 

となります。

 中でも松岡先生の論文は、本来なら学術誌に掲載すべきレベルの論文です。さすがに龍馬研究第一人者と呼ばれる方ですしね。ハンパない内容です。

 その他、マニアックで濃い内容の記事が多く、読み応えのある内容です。その中で、個人的に興味を引いたのは、『千葉の名灸』かな。

 この記事は史料紹介という形になっており、『坂本龍馬研究への提言 2』から連載されておりますが、今回は上野戦争(彰義隊)絡みの部分で、小田原藩が登場してきます。幕末ヤ撃団でも『戊辰戦争の思想史 小田原藩編』として本を作ったことがあり、また『戊辰戦争の思想史 荻野山中藩編』では、実際に千葉重太郎が荻野山中藩脱藩の尊皇派を千葉道場にに匿ったりと登場してきますので、気になる部分でありました。余談だが、荻野山中藩の史料中では「千葉十太郎」と書かれて登場します。戊辰戦争前夜、どうやら相楽総三率いる薩邸浪士と関わり合いをもっており、江戸での尊皇倒幕派の拠点として、千葉道場が機能していそうな感じの記述となっておりました。えーっと、「重」と「十」で一字違うから、”同姓同名の別人だ”などと言い出さないようにな(苦笑)。ちなみに、鳥取藩士の河田佐久馬とつながっていることからも、この千葉十太郎が、鳥取藩に召し抱えられた千葉重太郎であることは、ほぼ間違いないんで(苦笑)。

 ちなみに、この『千葉の名灸』は、千葉重太郎や千葉佐那についての聞き書きを新聞連載したもので、今なおまとまった形の書籍史料になってはいません。私もあさくら先生に聞いて、図書館で新聞記事をコピーしまくった人間の一人で、いやもうそれは大変でした。

 ときどき、休載とかもあり、記事を探すのが大変で大変で。その意味では、まとまった形で紹介しているこの同人誌は必見かと思う。

 

 あとは、やはり研究家あさくらゆう先生の記事で、「学者とレイシストと通説の脅威」は、少し前に起こった「中世史家の呉座勇一氏と”逆説の日本史”で有名な井沢元彦氏、八幡和郎氏の論争」について論じています。なので、史学とは無関係の内容ですが……。

 いや、まぁこの論争を私は「レッテル論争」と見ており、史学的論争ではないと思っています。だって、この論争どちらが勝っても”歴史学的に、何か解ってきた”ということにはならないから。勝った方の名誉が守られるぐらいの話だと思ってるんで。

 いや、呉座氏は学者として、素晴らしい研究をされており、私も何冊か読んでいる一方、井沢氏の著書は”まったく読んでません”ので。ああ、1冊だけ「孝明天皇毒殺説」を論じた井沢氏の本は読んでるかな。ただ、毒殺を肯定する井沢氏に対し、私は毒殺を否定して「病死」と判断しましたけども(苦笑)。

 もちろん、呉座氏の「陰謀論撲滅」の姿勢にも、かつて「どーんと来い俗説」なんてブログをやってた私ですから、共鳴する部分もある。が、それはあくまで嘘かホントかハッキリさせようぜという史実究明が伴っていた訳で。でも、あの論争にはそれが無かった。結果として「プロだのアマだの」、「研究者だの作家だの在野だの」といったレッテルの定義を論じてしまったがため、単なる「レッテル論争」になってしまっている。そこが不満でしたなぁ。

 まぁ、この論争についてのあさくら先生の見解が示されたのが「学者とレイシストと通説の脅威」の記事となります。

 こんな感じで、内容的には専門色が濃い内容となっておりました。こちらの本はヤフオクでも頒布中ということで、通販やってるようなので、気になる方は買ってみてください。

 また、今年の「日野新撰組祭り」においても、高幡不動側のブース側での頒布を予定しておりますので、日野新撰組祭りでゲットすることの可能です。

 

 ということで、とりあえず今年のスーパーコミックシティは無事に終了。この次は受かっていれば夏のコミケとなります。コミケの方では、幕末ヤ撃団で新刊を出す予定ですので、乞うご期待くださいませ。