超円安私の見方 米利下げなければ200円台 英キャプラ共同創業者 浅井将雄氏(円の警告国富を考える)

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO81345850S4A610C2EP0000/


UFJ銀行出身の英ヘッジファンド共同創業者の浅井氏による「円」の相場見通し記事。


氏は今後米国の利下げがなければ200円台突入もあり得るとの見解。


歴史を振り返ると、1985年のプラザ合意をピークにドルの価値は低下し続けてきた。世界のグローバル化と共に富がドル以外にも行き渡っていき、2008年の金融危機で1ドル70円台までつけた。


2008年頃をドルの底値とし、その後はIT革命を中心に再びドルに富が戻りつつある状況。


政府と日銀は現在、円安を止める為に量的緩和を縮小、即ち、日銀による国債買入れ額を減らしていく検討を具体化させている。


国債の買入れを減らすことにより、国債の需給が緩み→価格が下落→金利は上昇→日米金利差が縮小→円安が落ち着く

というシナリオを描いている。


一方で、量的緩和を緩めることで景気に水をさす、もしくは皮肉なことに更に円安を拡大させるリスクもある。


つまり、日本の根本問題であるプライマリーバランス(以下、PB)の赤字解消なくしては、長期的に円は売られ続けるとのこと。


現在景気は悪くない状況にも関わらず、日本のPBは70兆円の税収に対して歳出110兆円と40兆円の赤字である。


これが日本政府が金融緩和を辞められない理由(国債で赤字を穴埋めする為に、日銀が国債の買い手になる)であり、長期金利が上昇してしまうと借金返済額が増えて更に歳出が増える悪循環に陥ってしまう。


仮に足許の円安を止める為に量的緩和を縮小し、国債の価値が下がり、日本の財政状況に疑問符がつき、日本のシングルA格が引き下げられれば、メガバンクやグローバル企業のドル調達コストが更に上がり、国富が失われ、更に円安が続いてしまうのである。


非常に分かりやすい記事。

以前から思っていたが、こと国、国債に話が及ぶと皆こねくり回して考えるが、日本が陥っている状況は赤字経営、自転車操業でしかない。


その借金(国債)を引き受けているのが国民(日銀)であり、1600兆円に及ぶ個人金融資産で消化出来ているとのロジックだったかと思うがやや無理があるのではないか。


今日銀の国債保有残高は580兆円。

毎年40兆円の赤字を垂れ流しているとだとすれば30年程(国力が弱まっていることを考えればもっと速いか)で個人金融資産でカバー出来る範囲を超えてしまう。