オーラルフレイルをご存知でしょうか? | 第二薮本歯科医院のブログ

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東広島市の歯科医院 第二薮本歯科医院 のブログです。
お口や体の健康情報から、医院の日常まで、幅広く情報発信をしていきたいと考えております。

皆さん、こんにちは。

歯科医師の坂上です。

 

「オーラルフレイル」

という言葉を聞いたことはございますか?

 

英語で「オーラル」は「口腔」、「フレイル」は「虚弱」という意味です。

 

そもそも「フレイル」とは、高齢になって心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をいいます。

筋力などの身体機能の低下より先に、社会参加など他者との交流が減ったり、口の機能が衰えたりすることから始まります。

しかし、早めに発見して適切な対応を行うことにより改善できる状態です。

 

加齢に伴い、噛めない食品が増える、うまく飲み込めずむせたり、滑舌が悪くなったり、口の中が渇きやすくなったり、このような口腔の機能が衰えることを「オーラルフレイル」といい、、早期の重要な老化のサインとされています。

 

口腔内の機能が低下すると噛む力や舌の動きの悪化により、食べにくい食品を避けたり、食が細くなったりして栄養の偏りや栄養不足を招き、筋力など全身の機能低下にもつながります。

そして話しにくいからと人と接しなくなり、閉じこもりがちになり人や社会との関わりの減少を招いたりすることから、全体的なフレイル進行の前兆となり、深い関係性が指摘されています。

 

お口の健康が全身の健康につながります!

 
 
80歳で歯を20本以上残す目標を掲げた「8020運動」が1989年に始まってから30年が経ちました。この運動が始まったころは、10%にも満たなかった8020達成者が、2016年の調査で50% (2人に1人)になりました。
 

しかし近年、歯の本数に加えて噛む力や飲み込む力などの口腔内の機能を維持することも重要だと分かってきました。

 

オーラルフレイルを予防するには歯と口の健康を保つことが重要です。

具体的には「口の中を清潔に保つこと」そして「加齢で衰える口腔機能の維持・改善に努めること」がポイントとなります。

 

歯科医院での定期的なメインテナンスで自分の歯や口の状態を知り、維持することもオーラルフレイルの予防につながります。

 

 

お口の周りの筋肉を動かす運動を行うことも効果的です。

 

①お口・舌の動きをスムーズにする体操

唇やほほ、お口周りや舌の筋力をアップすることで、お口の機能が高まり、唾液がよく出るようになり、舌がなめらかに動いて食べ物を飲み込みやすくなります。お顔の表情もイキイキしてきます。

 

②飲み込むパワー(嚥下機能)をつける体操

飲み込みに関連する筋力をアップすることで、食事中の「むせ」などの症状改善につながります。

 

③噛むパワー(咀嚼機能)をつける体操

「食べこぼし」や、食べ物が鼻に流れ込むのを防ぎます。また、唾液が良く出るようになると、美味しく安全に食べられます。

 

④滑舌(口唇・舌の巧緻性)をよくする体操

口の動きをよくすることで、明瞭な発音につながり、表情が豊かになります。

 

⑤舌のパワーをつける体操

「誤嚥」や「むせ」などの症状改善につながります。

 

 

下記のホームページにオーラルフレイル予防のためのお口の体操が詳細に説明されております。

是非参考にしてみてください。

 

https://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/

(日本歯科医師会ホームページ)

 

 

また、うがいをしっかり行うのもオススメです。

ブクブクうがいやガラガラうがいは、頬の内側や喉の周囲の筋肉を動かし、口腔機能をフル活用します。意識して、うがいを少し長めに、行う回数を多くするとよいでしょう。

 

このコロナ渦、特にうがいをされている機会も増加していると思いますので継続しやすいと思います。

 

口腔機能の衰えが全身の健康に関係してくるので、ご心配な方は一度当院へご相談ください。

 

ぜひ口腔体操を行い、フレイル対策をしましょう!