ご自分に合った洗口液の選び方 | 第二薮本歯科医院のブログ

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東広島市の歯科医院 第二薮本歯科医院 のブログです。
お口や体の健康情報から、医院の日常まで、幅広く情報発信をしていきたいと考えております。

こんにちは。歯科衛生士の西浦です。

 

なかなか収束が見えてこないコロナウイルスの感染症ですが、

皆さんもどのようにして感染を予防しようかと日々、考えていらっしゃる事と思います。

 

コロナウイルスは口腔内や気道に存在するブドウ球菌や歯周病菌により産生される

プロテアーゼという酵素により感染しやすくなったり重症化しやすくなるという事が分かっています。

 

つまりは口腔ケアを行う事により唾液中の細菌数・唾液中の糖たんぱく質である

ノイラミニダーゼ(インフルエンザウイルスの増殖を助ける)の

活性・唾液中のプロテアーゼ活性を低下させる事ができるのです。

 

最近は洗口液をお使いになる方も増えていますが、実際に洗口液を買おうと店頭に行くと

様々な種類の物が並んでいてどれを選んでよいか迷われる方も多いのでないでしょうか。

 

洗口液とはどういうものかを理解して頂きご自身に合った物の選び方や使い方を

今回は取り上げますので、是非セルフケアに取り入れて頂けたらと思います。

 

歯周病予防には洗口液を歯磨きとセットで使って頂くのが効果的です。

バイオフィルム(細菌のかたまり)は約48時間後から形成され始めます。

 

 

バイオフィルムを物理的に壊すには歯磨きをしなくてはなりません。

 

 

とはいえ食後すぐに歯磨きが出来ない事もありますよね。

ではタイプ別に分けてご紹介していきますね!!

 

☆歯磨き後すぐに使える場合☆

歯の表面やバイオフィルムの表面に付着して殺菌作用を発揮する成分が入ったものがおすすめです。

くわえて歯の表面などに吸着するので細菌たちが集まってバイオフィルムを再形成するのを

抑制する効果も期待されます。

 

 

グルコン酸クロルヘキシジン、セチルピリジニウム塩化物水和物、

ベンゼトニウム塩化物が含まれた製品です。

 

 

※グルコン酸クロルヘキシジンは強いイオン性を持っており歯面粘膜によく付着し、

最大12時間まで殺菌効果が持続すると言われていますが

過去にアレルギー反応を起こしたことがある人、

口腔内に傷やひどいただれ等ある人は使用を控えて下さい。

また歯牙の着色がみられることもあります。

 

バイオフィルム内部に浸透する力はないので歯磨き後出来れば1~2分

(遅くとも1時間以内)で使えるとベストです。

 

☆歯磨き後すぐに使えない場合☆

バイオフィルム内部に浸透する成分が入ったものがおすすめです。

ただし初期のバイオフィルムに限られるので前回の歯磨きから遅くとも6~7時間、

できれば5時間以内の使用になります。

朝きちんと歯を磨いて外出先で昼食後磨けない場合などに適していると思います。

逆に歯の表面に付着する作用はないので歯磨き直後には効果が期待できません。

 

 

 

エッセンシャルオイル(植物に含まれる有機化合物)、ポピドンヨードが含まれた製品です。

 

 

※ポピドンヨードは甲状腺機能に異常がある方やヨウ素アレルギーのある方は注意が必要です。

 

また洗口液を選ぶ目的も人それぞれだと思います。

例えば歯ぐきの腫れなど炎症を抑えたい方はトラネキサム酸、

グリチルリチン酸などが含まれた製品

 

 

 

バイオフィルムを分解したいならデキストラナーゼが含まれた製品

 

 

場合によっては2種類の洗口液を併用するのも効果的だと思います!!

 

歯磨きだけで細菌やバイオフィルムを十分に除去することは不可能で

細菌が残存しているとそこから細菌の増殖が起こります。

 

歯ブラシ後に洗口液を使用してできるだけ細菌を除去することが

良好な口腔環境を維持するために必要です。

 

コロナ感染対策をきっかけに是非洗口液の使用を始めてみて下さい。

 

歯ブラシで磨き残しが多い場所ではバイオフィルムが時間とともに

成長し固く歯の表面に付着し、洗口液の効果も発揮されにくくなりますので

そこは歯科での定期的なメインテナンスでお手伝いさせて頂きますね!!

 

 

参考文献nico2018年9月号