中年@poetry -23ページ目
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よそ見をしないように

頑張ることで何が解決する?

生きてることに意味があるって本当?

目標を持って前へ進むことが

どんなパラダイスを保証するの?


愛も希望も自己実現も

どれもこれも

死へのカウントダウンのなかの

ほんの気休めなのかも。。


でも僕たちは

そんな気休めを

きまじめに信奉する


そうせざるを得ないから

ほかに道がないから

正気を保つ唯一の道だから


よそ見をしてしまえば

自己崩壊への地獄の門がひらく


めでたく消滅するまでは

せめて、

せめて自己を保っていたい

よね?


そのためには

明日も、あさっても、しあさっても

よそ見をしないように

よそ見をしないように





授業中の学校の廊下

授業中の学校の廊下って                                            

放課後よりもずっと淋しい。      

コツコツと響く自分の足音

遠くから時折沸き起こるざわめき                

断続的な空調か何かの音

クラスから見放され

世界から取り残された感じ。。                     

不安、焦燥。。

だけどなぜか懐かしい胸騒ぎ。。


「教室で誰か笑ってた

それはとても晴れた日で。。」(cocco「raining」)   


                    



ギリギリ

こぎ続けてこぎ続けて
ようやく家族が水面に
。。ギリギリの息つぎ
おいみんなだいじょうぶかあ

こぎ続けてこぎ続けて
。。首まで水面
ちょっと余裕

と、うっかり弛めて元の木阿弥
ギリギリ状態逆戻り

焦って焦って沈まぬように
と、たまにペダルを踏み外す
青くなりつつパニック到来
落ち着け落ち着け。。

こぐのをやめれば水中深く
家族の屍累々と



いったい僕の仕事はいつ終わるのでしょうか。。。

やらなきゃ

やらなきゃやらなきゃ
やらなきゃやらなきゃ

だけど、
満員電車に揉まれ
人混みを無理矢理こじ開け
最寄り駅から
スポンと弾き出されたときにはボロボロ
ようようの体でデスクに

やらなきゃやらなきゃ

ちょ。。ちょっと待って
少しでいいから休ませて

同僚の話

同僚の経験した本当の話


あるとき

顧客に提供したシステムに不具合が生じた


同僚「どうも、開発と営業の連絡ミスが原因のようです」

上司「それで。。誰のせいなの」

同僚「誰って言われても。。。」

上司「誰のせいなのよ」

同僚「だから、我々全体の責任かと。。」

上司「・・・・」

同僚「業務全体の仕組みに問題があったのかと。。」

上司「Y(同僚)君。君が統括してたんだろ。君のせいだからね。分かった? 君のせいだよ」

同僚「はあ」

上司「返事は?君のせいだからね」

同僚「はい(分かったよ俺のせいでいいよ)」


この上司はしばらくして降格され、会社から消えていきました。

それでも前へ。。

僕はまったく変わらないのに
世界はえらく変わったよう
僕は自由を欲しているのに
社会は束縛の限りを尽くす
僕は安寧をむさぼりたいのに
会社は繁忙を強要する
こともなげに。。

こともなげに。。
それが当然のごとく
受け入れるのが当たり前のごとく

彼らの自動小銃を
満身に受けつつ
それでも前へ。。

憂鬱

汗の飛び散るその一振りに
彼の魂がこもっていた。
目は見開いてまたたきもせず
ヒットワークは枯れ枝のごとくギシギシ。。
相手の渾身のクロスカウンターに
彼の眼は恐怖の一刹那
勇気をもって踏み出す左足には
彼の全人生がかかっていた

すべてを甘えのなかに埋没させ
豊穣というにせの舞台にみずからを踊らせ
次から次へと湧き出てくる言葉にこころもとない支えを見いだす。
言葉の機関銃は容赦なく
まんべんなく人間の上にふりかかり
ヘナヘナと倒れていく唯一の知的生命体

それにしてもまあなんとご苦労なこと
言葉なんてみんな信じていないでしょう
信じているのはその言葉をひねり出した自分の脳細胞だけ
殴られるのは嫌だが殴りたいという感覚の表明

彼は殴られる危険を冒して殴るために踏み込む
相手の恐怖にひきつったパンチをダッキングでかわしざま
気の遠くなるほど練習を重ねた右アッパーを至近距離から叩き込む
結局彼のパンチは空を切った。

缶ビールをカチカチさせ
ひたすら叩きのめされた彼の眼差しがどうしても振り払えずに
幸せそうな道行く人に毒づいた

さあ、我々の骨は直下にある
拾い上げてくれ
恐怖の光が消えうせないうちに。。。急いで
飼育された豚は首が切り落とされるまで
自らの不遇を知らない
そうならないうちに

言葉で武装して
空虚を振り回して
これが実態だとうそぶいて
それは不公平だとだだをこね
もう許さないと構えてみせる

結構結構
まったく結構なのだが
おまえは傍観者だと叫ぶ人ほど
真の傍観者だ。。。と
どこかのエライ人も言っていたよ

骨をちゃんと意識したこと
ある?

真っ白でぴかぴかで硬い骨
僕たちは骨によって動き、きしみ、回転する
骨だけが存在の本質
あとはとるに足らない安物の衣裳

骨をきちんと意識したこと
ある?

一度しっかりと
意識してみればいいよ
そうすれば分かるから

僕たちは骨の上に塗り固められた
不細工な粘土細工なんだって

会社は回る

会社は回転する小宇宙
グルグル回る
中心部にはエリート
悠々自適
端にはぶらさがり社員
すごい遠心力だあ。。と
かろうじてしがみつく
そして、
悲鳴を上げつつ振り落とされる人
合掌

グルグルグルグル
だけど
回転軸が折れてしまえば
みんなただの人

ペラペラ

上司って人間としてどうよ
部下にはどう思われてる?
板挟みって何よ
ペラペラの人間だって。。
別に比喩じゃなくてね
上司と部下に挟まれて
ペラペラの人間になってしまったんだ。
日々ペラペラ
昨日より今日がペラペラ。
今日より明日がペラペラ
だけど、家に帰ると
少しからだに厚みが戻る。ほんの少し。。だけね
でも今日は多分徹夜。。。なんです
明日の僕は幅何センチ?

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