アパート火災で3人死亡 防犯カメラに映った容疑者の男が見せた犯行当日の“異変” 前日には死亡した2人の代金を肩代わり
愛知県弥富市でアパートに放火し、3人を殺害した疑いで逮捕された61歳の男。CBCは容疑者の映像を独自入手しました。周辺の防犯カメラに映った男の姿から見えてきた、犯行当日の異変とは。
アパートに火を放ったとされるわずか10分後。現場周辺の防犯カメラに映った男の後ろ姿。
さらにその1時間後には、男が戻ってきます。3人を殺害したとされる容疑者の男です。
さらに別の日にも男の姿が。2つの映像からわかったのは、犯行当日にだけ男が見せた普段とは違った行動です。
事件が起きたのは、年明け早々の1月3日午前8時ごろ。弥富市平島町にある木造2階建てのアパートが放火されました。1階に住む窪米三さん（68）と南由美さん（57）、2階に住む後藤一夫さん（66）のあわせて3人が遺体で見つかりました。
また、47歳の住人男性も喉をやけどするなど軽傷を負いました。
1月29日、愛知県警は、同じ弥富市に住む会社員・佐藤忍容疑者（61）を逮捕。
佐藤容疑者は、アパートに火を放ち3人を殺害したなどの疑いがもたれ、警察の調べに対し、容疑を認めているということです。
■犯行前日 死亡の2人が喫茶店の代金を払わず、容疑者が全額支払う
現場のアパートは、佐藤容疑者の自宅から1.5キロほどの場所。警察によりますと犯行当日、佐藤容疑者は自転車で行き来していたということです。
（佐藤容疑者を知る人）「白っぽいヘルメット。（Q.自転車に乗る時はいつも着用?）ヘルメットをかぶっていた」「ほとんど（ヘルメットを）かぶっている」
改めて、現場周辺の防犯カメラの映像を見てみます。1月7日、自転車に乗る佐藤容疑者は確かにヘルメットをかぶっています。しかし、犯行当日は違いました。
犯行時間から10分後の映像。佐藤容疑者は、自転車に乗って自宅や現場アパートとは別の方向へ走って行ったのです。その1時間後、佐藤容疑者は、同じ道を自転車で戻ってきました。
周辺の住人たちは口をそろえて「佐藤容疑者はヘルメットをかぶって自転車に乗る」と話しますが…犯行当日は、ヘルメットをかぶっていません。普段とは違う姿を見せることで、現場周辺で自分の存在を隠そうとしていたのでしょうか。
佐藤容疑者は死亡した3人と面識があり、弥富市内の飲食店などで一緒にいるところを度々、目撃されていました。その際、佐藤容疑者が飲食代を支払うことが多かったといいます。
関係者によりますと、犯行前日、佐藤容疑者は死亡した2人とともに喫茶店にいましたが、2人が先に店を出た後、代金を払っていなかったことがわかり、全額、佐藤容疑者が支払ったということです。
警察は佐藤容疑者と被害者との間に、何らかのトラブルがあったとみて詳しく調べています。