李23 | 私の性長記録

私の性長記録

小説を書いてます。


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どうしてか

健太が四宮さんに会うことに

比奈は躊躇いがあった。

だけど、意識がある状態の四宮さんと

面会するなど

比奈にはできそうもない。

『一緒に…行く…だけど…病室の前で…待ってる』

「無理しなくていいのに」

『無理じゃない』

無理じゃない…けれど…

健太が四宮里奈の喜ぶことをすることの方が

比奈には耐えがたかった。

まどかはそんな2人の様子を見ながら

今にも溜息が零れそうな顔をしている。

「並木君、お見舞いは私や他の子たちも
一緒に行きましょう。
別々で行くと、ご迷惑がかかるかもしれないから」

「うん。わかった」

健太が頷いたところで

西野がおかわりの紅茶を勧めた。

「あ、すみません。今日はもう帰ります」

「かしこまりました」

「じゃぁ、東条さん、四宮の件
進展があったらよろしく」

「わかったわ」

まどかは返事をすると

比奈に視線を向けた。

『私も今日は帰る』

「そう。なら並木君と一緒に」

『うん』

比奈は健太と共にまどかの部屋を後にした。


『ねぇ』

「ん?」

『どうして四宮さんのお見舞いに行くの?
健太のせいじゃないのに』

「それとこれとは別だろ?」

『でも、そんなことしたら
四宮さんが勘違いしちゃうかもしれないじゃん』

「勘違いって?」

『健太が自分に好意を持ってくれてるって…』

「お見舞いに行ったくらいで?」

『だって四宮さんが健太を好きなこと
知ってるでしょう?』

「なら、松永も誘っていくよ」

彼が提案したのは

自分の親友である松永君も誘って

お見舞いに行くというものだった。

四宮里奈は彼の事情など

お構いなしに健太を連れ出すような人だ。

そんな人が松永君を連れて行ったくらいで

勘違いしないとは思わなかったが

比奈はあっけらかんとしている健太に

何も言えなくなった。

「それに、もし四宮から告白されても
俺は断るつもりだよ」

『…え?』

比奈は健太の言葉に

思わず彼の顔を見上げてしまった。


健太たちが帰ったあとのまどかの部屋では

まどかが不機嫌そうに頬杖をついていた。

「西野」

「はい、お嬢様」

「あの2人どう思った?」

「そうですね…まだお互いの気持ちに
気付いていないといったところでしょうか。
とくに並木様は鈍感なようで…」

西野はクスクスと笑って見せると

まどかはようやく溜息をついた。

「ところでお嬢様」

「なに?」

「お買い物はよろしいのですか?」

「買い物?」

「今日はお買い物に出かけたはずです。
まだ、何も買われていませんので」

「あぁ、そうね。また今度にするわ」

「かしこまりました」

「西野」

「はい」

「もし、あなたが誰かに好意を
持たれていることがわかったらどうする?」

「そうですね。私の仕事を理解してくださるなら
お付き合いすることも考えます」

「どう…理解するっていうの?」

「私がお嬢様の専属執事であること。
それはどういうことなのかを
理解すると言うことです」

「なら、理解してくれる人が現れたら
あなたはその人と付き合うのね?」

「もちろん、自分との相性も考えた上で…です」

「…そう」

まどかは西野から視線を逸らし

何か考える素振りをすると

そのまま自分の部屋へと籠ってしまった。

西野は彼女の後ろ姿を見ながら

クスリと笑みを浮かべた。



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