6月22日より封切になった、映画「さよなら渓谷」 。
その原作となった小説です。
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映画の予告では、かなりネタバレしている感がありますが、
それでも、小説は面白いです。
映画「さよなら渓谷」予告編 → http://youtu.be/8CMo0w9Kig0
この物語はミステリーではなく恋愛小説。
どこにでもいる普通の夫婦の過去が明らかになるにつれ
普通の夫婦ではなかったのか?ということが分かってきて
その果てにあるものは……?
という物語なのです。
☆
婚活をしていると、「結婚って、なに?」って分からなくなること、ありますよね。
それは、「この人と結婚していいのかな?」という迷いではなくて
「結婚」というものに対する(結婚前の)正解みたいなもの。
例えば、よく既婚の方に言われません?
「頭で考えてたら、いつまでも結婚できないよ」とか
「結婚は、勢いやで!!」とか。
うーん。
すごく好きなら考えている暇はないだろうけど、相手がいないよ。
だったり、
勢いって……、わたしは結婚してもいいけどね…相手がね…。
だったり。
心の中で反論しながらも、分からなくなってしまうのです。
「結婚って何なんだろう?」って。
もしかして、運命の人が現れたら一瞬で恋に落ちたり、
迷いなく結婚に向かうんだろうか?
なんて、考えてしまうけど、今度は「運命って何?」と頭を抱える。
婚活世代って、忙しいんですよ。自分の中の答えを探すのに。
☆
わたし自身、頭で考えるほうなので、考えるのは悪くないと思っています。
ですが、恋愛に対して慎重になることと、まったく心が動かないのは
違うような気がするのです。
つまり、頭で考えてしまうあまり、心が作動しないのはまずいなぁ、と。
結婚って、運命って、よく分からないし、相手もいない。
という方は、ぜひこの小説がおすすめです。
主演の真木よう子さんが「A-Studio 」でこの映画のお話をされていました。
撮影中にとてもつらい気持ちになったそうで、
「これは真木よう子の身に起こっている出来事ではない!」と
自分に言い聞かせてないと乗り越えられないほどだったそうです。
そして、笑福亭鶴瓶さんは、真木さんに”女優の業”を感じるとおっしゃっていました。
この物語も、夫婦になる”運命”ではなく”業”のお話。
最近、考えすぎて心が動かないという人は
物語を通して問いかけられ、揺さぶられるはずです。
結婚とは、愛とは、幸せとは、なんなのか?
自分なりの答えが出るかもしれません。
自分自身がこの夫婦のようになるというわけではなく、ね。
この物語と雰囲気や読後感が似ていると個人的に思う小説です。
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どちらも恋愛とミステリーが絡んでいて、
甘くない恋愛小説が好きな人におすすめです。