暑中見舞いは、いつするのが正しいの? って聞かれることが良くあります。じゃぁ、あなたはいつだと思いますかぁ~って聞き返すと、大抵の場合「大体このくらいの頃かな」なんて曖昧な答えが返ってくるのです。

私達の生活の中に、季節の挨拶はどのくらいあるのか代表的なものを挙げてみると、年賀・寒中見舞い・余寒見舞い・中元・暑中見舞い・残暑見舞い・歳暮などが一般的かな。これらの挨拶は、葉書や手紙、贈答などで行うのが慣例となっていますよね。これらが何時から何時まで有効なのかって問われると、急に自信がなくなってしまうのでした。

 

 例えば、二十四節気の小寒は16日頃です。この日を寒の入りと言います。そして大寒(120日頃)→節分(23)。ここまでが寒中なわけで、この期間内に交わされるご機嫌伺いの挨拶が寒中見舞いなわけだ。(この期間に武道の稽古をするから寒中稽古になるわけね)

 では、暑中はいつなの?となると、同様に考えれば、小暑から立秋の前日の節分まで、と思いたいんだけど、ここがちょっと違うんだな。

 実は、『暑中とは、夏の土用の期間を限定して暑中と言うのでーす。』夏の土用は立秋前の18日間のことを言います。720頃から87日頃の節分までです。(〇日頃という表現は、年によって1日前にずれることがあるからなんだね👈因みに2020年の夏の土用は719日~86日です) この期間の前も後もはみ出さないようにメッセージを届けないとね。ちょっとカッコ悪いかな。

 「2ふくは~うち」で触れているけど、節分は年に4回あるわけです。土用の期間も各季節が始まる日の前18日間で、年4回あるわけさ。「#3も~すぐ は~るですねぇ~」の季節時計を見れば一目瞭然です。

 1年のめぐりは、春夏秋冬の四季に加えて、どの季節にも属さない土の気が旺盛な時期という土用の期間を入れて五季なのね。五行説って聞いたことあると思うけど、万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説。

これを季節に充てると、春は木、夏は火、秋は金、冬は水、土用は土なわけさ。

これに色を充てると、春は青(緑=若草色)、夏は朱()、秋は白、冬は黒(紫とする事もあり)土用は黄なのね。前回の「18たなばたさま~」でお話しした五色の糸とは、この青()、赤、白、黒()、黄の5色を言います。

 方角に例えると、土用を中央にして春は東、夏は南、秋は西、冬は北。四神を配すと、春は蒼龍(青龍=そうりゅう)、夏は朱雀(すじゃく)、秋は白虎(びゃっこ)、冬は玄武(げんぶ)に加えて、土用は麒麟(きりん)となるわけです。

 

 まぁ、これはこれとして、土用の話に戻りましょうね。

前述の如く、土用は土の気が旺盛になる時期という事で、穴掘りや動土を忌む風習があるのですよ。要は、変化の時期という事で、昔は、この期間に建築や土木工事を始めると、事故でも起きたらまずいので、土用に入る前に、杭打ちだけでも先にやって、工事開始時期をこの期間から外したりしたわけさ。この期間に手に入れた物は、変化する=壊れ易いとかね(迷信だけど…)季節の変わり目という事もあって、体調も崩しやすい時期だから、この期間はみんな大人しくしている方がいいのです。

 

 各土用には、これを食べると体に良いとされる食べ物が充てられているんだけど。春の土用は戌の日に「い」の付く食べ物や白い食べ物→イワシ、芋、隠元豆、しらすなど。夏の土用は丑の日に「う」のつく食べ物や黒い食べ物→梅干し、瓜、うどん、しじみ、うなぎなど。秋の土用は辰の日に「た」の付く食べ物や青い食べ物→大根、サンマ(青魚)など。冬の土用は未の日に「ひ」のつく食べ物や赤い食べ物→ヒラメ、トマトなどだそうな。だけど、どうも後付けくさいんだな。どれもその時期の旬の物で、栄養があるやつではある。👈但し、うなぎとトマト以外はね…。

大体うなぎの旬は秋から冬にかけての時期が一番。冬眠に備えて栄養を蓄える時期なので脂が乗るのです。また、トマトは江戸時代にはまだ、観賞用が本流だったわけで、この時期路地物トマトは無いだろうし…、食べるようになったのは明治以降で、一般に普及したのは戦後(太平洋戦争終戦後)だからね。

 

 元禄の頃には、既に上方からうなぎの蒲焼きが江戸に伝わっていたらしいです。今でいうファストフード的な屋台店(辻売り)が江戸庶民に受けていたんですね。

で、なぜ夏の土用にうなぎなのかというと、夏はうなぎが売れないって言う鰻屋さんの悩みを聞いた平賀源内って云うお方(蘭学者で、万能学者ともわれている人ね)が、「土用の丑の日 うなぎの日」というキャッチを創って張り紙をしたところ、大ブレークしたっていう話さ。旨くコマーシャルベースに乗れたわけだ。で、現在に至るわけね。

まぁ、今の恵方巻もValentineチョコも同じ原理だわな!!