　１４時００分～１６時００分は、上大岡駅周辺で、右膝のパンクの為に延期をしていた哲学の勉強会を行いました。久し振りに「脳みそが汗をかいた」日となりました。学ぶ事が多かったひと時でした。

　１９時００分～２１時００分も、「夏休み特別稽古」（長後公民館ホール）でした。

　２１時００分～２１時４５分は、同所で「自主稽古」でした。

　さて、タイトルの件ですが、８月は戦争と平和の季節です。

　　広島原爆　１９４５年（昭和２０年）８月６日午前８時１５分

　　長崎原爆　１９４５年（昭和２０年）８月９日午前１１時２分

　　日本敗戦　１９４５年（昭和２０年）８月１５日午前１２時　天皇ポツダム宣言受諾放送

　１９４５年の今日８月１５日、日本は無条件降伏を定めたポツダム宣言を受諾しました。正式な降伏文書の調印は、１９４５年９月２日に東京湾上の米戦艦ミズーリ号甲板で、日本側を代表して重光葵外相、梅津美治郎参謀総長、連合国を代表して連合国最高司令官のマッカーサーが「降伏文書」に署名を行い、これによって日本の降伏が確定しました。

　終戦ではなくて、敗戦なのです。日本は敗戦国となり、未だに敗戦国なのです。

　戦争で、多くの犠牲者と共に、日本は荒れ野と化しました。敗戦を半年早く決めていれば犠牲ははるかに少なく済んだと言われています。東京を始めとする都市住民への無差別大空襲、沖縄での地上戦、広島、長崎への原爆投下を回避出来たのです。戦争に突き進んだ事も、許すべからざる誤りでしたが、戦争を早期に終結させなかった事も、それと同じ位の大きな誤りだったのです。

　あれから、７９年ですが、日本に駐留する米軍は治外法権を有しています。日本は実質的には、いまなお独立を回復出来ていないと言っても良いのです。確かに、１９５２年４月２８日に発効したサンフランシスコ講和条約で日本は独立を回復した事になっていますが、講和条約第３条に明記された占領軍＝米軍の日本からの撤退が未だ実現されていません。

つまり、サンフランシスコ講和条約と同時に発効したのが日米安保条約と日米行政協定であり、この体系下で米軍駐留と米軍に対する異常な特権付与が定められています。それは、憲法にも優先するものなのです。それは、米軍の言いなりのままなのです。その異常な状態が敗戦から７９年経過する今も続いています。

　最大の被害を蒙り続けてきたのが沖縄県です。日本で唯一の地上戦が戦われ、多くの犠牲者を出しました。その上で、沖縄県は未だに基地の島であり、米軍特権が温存されるなかで米軍関係者による卑劣な犯罪が頻発しているにもかかわらず、独立国としての当然の裁判権さえ確保されていないのです。

しかも、基地に反対する沖縄県や県下の自治体に対しては、財政的援助や交付金を渋り、反対に基地建設推進派にはそれらを増額しています。「飴と鞭」なのですが、政府による反基地派へのいじめでしかありません。

　また、今日は多くのアジアの国々から見れば、日本軍国主義＝日本帝国主義の抑圧からの解放記念日でもあります。更に、もう少し広く見れば、多くのアジア諸国の欧米からの解放（独立）でもあったという事になります。

　毎年この日に書いていますが、私たちが空手を出来るのも平和だからです。その平和を支えてきた大きな柱は、３００万人以上の戦死者とアジアの３，０００万人の被害者をもたらしたという戦争への深い反省とそれを二度と起こさないという誓いの結実である日本国憲法の平和条項だと思います。「８月１５日」というのは、この事をしっかりと再確認する日だと、私は考えております。

　これも毎年引用していますが、「降伏」と「光復」という同じ読みの言葉に関連して、詩人の茨木のり子氏はこう書いています。

（転載開始）

　八月十五日は、日本では終戦記念日と言いならわしているが、終戦と言うと合意の上、おだやかに戦争終結したようだが、実際には「参った！」の降伏だったのだから、言葉の上のごまかしである。「はっきり敗戦記念日と言うべきですよ、あなた、終戦記念日なんて言っちゃいけない」と教えてくれた人がいて、まったくその通りで、以来私は終戦記念日とは言わないようにしている。

　かたやパリロ（八一五）は、光復節とも言い、光ふたたびよみがえる、解放記念日でもある。（小林志光注：この日のことを韓国語の数字読みで８・１５（パリロ）と言ったりします。）

　明暗を分けた記念日が、光復⇔降伏、漢字を日本読みにすれば、音はまったく同じ。なんとも言えない皮肉である。＞（『ハングルへの旅』朝日文庫１９８９年）

（転載終了）

　「８・１５」は朝鮮半島では解放記念日の「光復節」です。「解放」とはもちろん、日本の植民地支配からの「解放」だという意味です。

　しかし、朝鮮半島では、日本の植民地支配が元凶の朝鮮戦争はまだ終結していないのです。未だに「停戦」状態で真の平和は来ていないのです。

　在日朝鮮人ついても同じです。自民党の歴代日本政府の差別政策によって、在日朝鮮人の「光復」は妨げられたままです。

　「降伏」の意味と「光復」の意味を考え、その上で本当の「幸福」をも考える日が今日８月１５日だと思います。

　ロシアのウクライナ侵攻から２年以上が経過し、更にはガザでイスラエルによるパレスチナ人民に対する虐殺が進められています。何も知らない無垢な赤ん坊や子供たちが、訳も分からずミサイルの餌食になっているのです。

　その他、世界の至る所で、紛争、内乱及び戦争が起きています。その犠牲となるのは子供や女性なのです。

　こういう状況ですが、私たちが空手道を続けられるのは、平和のお蔭と、いつでも思い続けて行く事が大切だとあらためて考えました。

敗戦７９年目の夏 第７６９３回 ２０２４年 ８月１５日（木）

敗戦７９年目の夏　第７６９３回２０２４年　８月１５日（木）