ギター界の巨匠、ジョン・ウィリアムスの数多いアルバムの中でも珍しい作品。
全編ベネズエラのギター作品という大胆な構成になっています。
このような冒険が出来るのも、巨匠の余裕でしょうか?
しかも内容も充実しており、繰り返し聴きたい1枚です。
ベネズエラのギター曲といっても、クラシックギターに詳しい人でもアントニオ・ラウロやビセンテ・エミリオ・ソホくらいしか知らないかもしれません。
ところがこのCDにはアントニオ・カリージョ、オベリオ・リエラ、ペドロ・ロペス等々、なじみのない作曲家の作品が目白押し!
どの曲もフォルクローレ的な素朴な哀愁漂う味わいの中にも、適度な洗練を交えて上品にまとめ上げています。
またベネズエラの国民楽器といわれるクワトロ(4弦の小型ギター)奏者のアルフォンソ・モンテスも参加。
いくつかの曲でジョンとのデュオを披露し、軽快なリズムで華を添えています。
比較的なじみのあるラウロの作品なども、クアトロの軽やかなリズムが加わることで、より作曲家の意図していたであろう雰囲気が味わえ、新たな発見があります。
有名曲は少ないですが、聴くほどにベネズエラの風を感じる逸品です。