(一)有事一喝如金剛王宝剣
金剛というのは梵語跋折羅(ばしゃら)の訳で、金中最剛の義です。
だから金剛王宝剣は、最も堅固であり、最も鋭利であって、どんなものでも一刀両断にすることができます。
あるときの一喝は、そういう金剛王宝剣のような一喝であるというのです。
この一喝に出会っては、迷いも悟りも、理屈も道理も、天国も地獄も、すべての妄想分別は一刀のもとに断ち切られてしまいます。
すなわちこの一喝は、なにもかも根本からそっくり断ち切り払い尽くして、兎の毛もとどめない、そういう活作用をもった一喝なのであります。
(つづく)
(※)
「茶席の禅語」(西部文浄著) から引用させていただきました。
厳しい働きの一喝ですね。
私たちのような対人恐怖ですと、過敏で気が弱いので、そのような一喝をされると、傷ついて落ち込んでしまいそうです。
相性の良い師匠、徳の高い師匠を選ばなければならないというのは、こういうことでも分かるような気がします。