予備軍 2
両親が離婚し、育てた祖母が亡くなって、叔父叔母やその子供と同居、その従姉妹が通ったのが名門小でした。
自分はいけない。
だから我慢しました。
我慢に必要なものは報酬です。
いつか報酬が与えられる、それをずっと待ちましたが、30年以上も待った答えは他人による介護でした。
そして我慢は我慢だと認められなかった、引きこもりと言われ絶望します。
姉妹は名門、自分は我慢、その報酬を30年待ち、役割を失って決意したのがこの事件を起こすという結論でした。
人はバランスを保つことしかできません。
事件を起こすことは犯人にとってバランス、つり合いです。
事件が起きて初めて私たちは驚かされますが、事件がなければバランスを欠いている、それに気づいてなかっただけでした。
そして何とか事件が起きる前にそのバランスをとらなければ、と元次官は考えました。
自分の息子が事件を起こすことは必然であり、親としてそれをすべて引き受けるしかないと覚悟します。
父にとってバランスを失った子供の犯罪を防ぐ方法はこれ以外になかった。
警察が家庭内暴力で逮捕したとして、または再度別居したとして息子はバランスを取り戻せたと言えるでしょうか、それともさらにバランスは悪化したでしょうか。
次官と言う職に就けるのは人並み優れたバランス感覚の持ち主の筈で、息子のアンバランスの是正をしたのだと思います。