米国への司法ホットライン
司法による重大な憲法についての判断で、もし最高裁判所に米国へのホットラインが機能しているとすれば、その国は独立国だと言えるでしょうか。
私は憲法の無効について度々訴えていますが、違憲か、合憲か、の前に、このホットラインそのものが、司法そのもののあり様が憲法を無効にしていると言わざるを得ないと思います。
1959年3月30日に地裁で米軍駐留は憲法違反だとの判決があり、翌31日朝8時に駐日米大使は外務大臣を呼び出し、高裁を飛ばして最高裁への上告を希望する旨を告げ、9時からの閣議でこれは決められます。
丁度これは60年安保の交渉の最中でしたが、本来呼び出される立場の米大使から呼びつけられる外相への指示は1時間未満で閣議で決定される、という状況で、この事実は2008年に見つかった公電で証明されました。
さらに見つかった公電はこれだけでなく、4月24日には判決まで数ヶ月かかるとの田中耕太郎最高裁長官と直接面談して得た情報も本国へ伝わり、8月3日と11月5日には、それは12月になる点と、世論の動揺の原因となる少数意見を避けて判事全員一致にしたい意向であることも長官と直接接触して確認したと伝えています。
驚くべき事に長官が出向いて米国と話し合い、その通りの判決が12月16日に下るのですが、その間、米大使は本国に宛て4月1日に、最高裁判決によって米軍の駐留を法的に盤石にしたいと強く伝えていました。
さらに11月5日の公電では、田中長官との話し合いで得た情報として、できるだけ多くの判事が、安保条約が憲法より優位にあるとの前提で裁定することも報告されています。
このようにして長官は他の判事とともに、重大で高度な政治的問題は司法は判断しない、と表明したのですが、米大使と外務大臣はその2週間前の12月3日と翌月の6日に、米軍基地や駐留、演習等について地位協定と密約によって米国の意向を尊重するという内容の文書に署名もしていました。
いま在日米軍の法的立場が最高裁とのホットラインで固められていった様子が米国の資料から分かってきているのです。