覇権国の役割
米国は覇権を握り基軸通貨国となった。
基軸通貨は世界中の取引で使用できるため覇権国は外貨を稼ぐ必要が無く、紙幣を発行するだけで世界中のモノを手に入れる権利を得る。
さて経済危機が起きれば各国政府は金融システムを守るために金融機関へ資本注入を行い 経営を支援する。
もし金融機関が破綻すれば経済の混乱は収拾できないレベルとなってしまう為に、これはやむを得ない処置である。
危機に有っては各国政府の役割はこのように民間企業の支援に回る事であるが、世界経済の危機に至れば覇権国の役割も同じように民間経済の支援に回る事となる。
即ち覇権国は基軸通貨を持つが故に通貨を発行する事によって経済支援を行う役割を担わざるを得ず、もしこれを拒否すれば混乱は結局覇権国経済を直撃してしまう為選択の余地は無い。
各国政府が金融機関の支援を行わざるを得ない事と同様に基軸通貨国は経済を支援していく事になるが、これによって維持できると思われた筈の覇権を覇権国は失う事になってしまう。
支援は身を削らずに行う事は出来ず、この出血がやがて死に至ってしまうと言う事だ。
かつての大国と言われたオランダや英国も同様かもしれない。
鎖国時代にはオランダとのみ国交し、明治政府は日英同盟を結び、今は日米安保で平和を謳歌しているが、次の時代はどのような世界地図が描かれるのであろうか。